“映画鑑賞”は特典のオマケ? 映画『ONE PIECE』首位返り咲きのワケ

(C)Morumotto / Shutterstock

今年8月に公開され、国内映画ランキングで11週連続1位という快挙を達成したアニメ映画『ONE PIECE FILM RED』。一度は首位から陥落したものの、最新ランキングで見事首位に返り咲いたことがわかった。

2022年10月29日~30日付けの『全国映画動員ランキングトップ10』(興行通信社調べ)によると、「FILM RED」は先週3位から見事1位にランクアップ。

先週のランキングで初登場1位だった『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥(くら)き夕闇のスケルツォ』は4位に。

3位には『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』のリバイバル上映がランクインするなど、アニメ映画がさすがの強さを見せつけている。

「FILM RED」は土日の2日間で観客動員数22万4000人、興行収入は3億400万円を記録。これまでの累計動員数は1279万人、興収は177億円を突破した。

今年を代表する映画には間違いないが、その裏にはやはりカラクリがあるようだ。

「『FILM RED』が首位に返り咲いたのは、紛れもなく特典に釣られたリピーターが劇場へ足を運んだからでしょう。特典商法作品と名高い同映画は、10月29日から入場者プレゼント第7弾の配布を開始。限定フィギュア『ワンピの実「FILM RED」シャンクス』が特典だったため、ファンだけでなく、転売ヤーもこぞって釣られたようですね。さらに11月12日からは第8弾『スペシャルシャンクス104巻掛け替えカバー』の配布も決定しており、まだまだ興行収入を伸ばす気概が感じられます」(映画ライター)

特典配布で興収アップ…

恥ずかしげもなく特典を連発する「FILM RED」に、ネット上からは、

《私の好きなワンピじゃないこんなの》
《ワンピの実シャンクスのメルカリ転売多すぎ。特典目当てのやつしかいねえじゃん》
《第8弾入場者特典ほしいけど、正直もう3回目で飽きたし、みるのしんどい》
《何というかワンピ使って金稼ぎたいっていう魂胆が見え見えだから、見ててものすごく気持ち悪い。第7弾も出してるのに200億円いってない時点で察しろよ》
《ONE PIECEの映画の第8弾の入場特典が発表されたけど、このやり方は好きじゃないな。言ってしまうけど、映画自体もくっそおもんなかったしなぁ》
《第8弾まできたか…ワンピの特典商法なかなかにエグい。それで売上必死に伸ばして○○億突破、歴代○位って誇れるものなのだろうか…?》

といった声が数多く見受けられる。

「『FILM RED』の特典商法ばかりに注目が集まっていますが、3位にランクインしている『ハロウィンの花嫁』も例外ではありません。この映画は今年4月に上映された作品ですが、10月28日~11月7日にかけてリバイバル上映を実施。入場者プレゼントとして『青山剛昌先生描き下ろし・ハロウィングリーティングカード』を配布しています。また先週のランキングで『FILM RED』から1位を奪取した『ソードアート・オンライン』も、先着特典や1週目来場者特典を配布。11月5日からは大ヒット記念特典として、原作・川原礫氏が書き下ろした小説『七日目』が配布されています。もちろん映画の特典商法は今に始まったことではありませんが、ここまで露骨なのは最近の作品から始まったことでしょう」(同・ライター)

アニメ映画に限らず、今後はどのような映画にも特典がつくのが当たり前になる日がくるかもしれない。

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