『SLAM DUNK』新作映画に不穏な空気…プロモーションが大失敗したワケ

『SLAM DUNK』新装再編版 1巻(井上雄彦/集英社) 画像:まいじつ

『週刊少年ジャンプ』の黄金期を支えた、バスケットボール漫画『SLAM DUNK』。12月3日に公開される新作映画『THE FIRST SLAM DUNK』へ注目が集まっていたが、ここのところ解禁された新情報に、往年のファンから苦言が殺到している。

同作品は、1990年から1996年にわたって「ジャンプ」で連載された、スポーツ漫画の金字塔「SLAM DUNK」を映画化したもの。映画化が発表されたのは2021年1月だったが、なかなか情報が解禁されず、ファンはヤキモキしながらも、その動向に熱い視線を送っていた。

そして公開まで1カ月を切った11月4日、ついに新情報が解禁され、メインキャストである『湘北高校』メンバーの声優陣と主題歌を務めるアーティストなどが発表された。

主人公の桜木花道を『ドラえもん』(テレビ朝日系)のジャイアンでお馴染みの木村昴、流川楓を神尾晋一郎、宮城リョータを仲村宗悟、三井寿を笠間淳、赤木剛憲を三宅健太が演じることに。90年代に放映されたテレビアニメ版からはキャストが一新されている。

また、オープニングをロックバンド『The Birthday』が担当。エンディングはロックバンド『10-FEET』が務め、劇中音楽は音楽プロデューサー・武部聡志氏と『10-FEET』のギター&ボーカル・TAKUMAが担当すると明かされた。

ファンを地獄に突き落とした製作陣

「過去のアニメ版では原作終盤の『山王工業高校』戦が描かれておらず、今回の新作映画で描かれるのでは?という予想が飛び交い、注目を集めていました。しかし、いまだに映画がどのようなストーリーになるのかは不明。一部では宮城が主人公というウワサも飛び交っています。しかし新情報を出し渋ったうえ、映画のムビチケ発売後に声優一新をアナウンス。ベテラン声優・大塚明夫はツイッターに《30代〜40代前半くらいかなぁ。。スラダンぶっ刺さってる世代。声優交代はなかなか受け入れ難いよね。その気持ち、決して否定はしません みんないい仕事してたもん!》と投稿していました」(アニメライター)

ネット上では、声優交代よりもプロモーション失敗を嘆く声が続出しており、

《なぜ新作制作発表の時点で「声優変更します」と言わなかったのか。新キャストにも失礼だわ》
《ファン心理的に受け入れられないって容易に想像つくんだから、勿体ぶらずにさっさと情報公開しとけばよかったのに》
《スラムダンクの声優変更自体はどうでもいいけど、キャスト伏せたまま前売りし始めたのは、旧作ファンから売り逃げしてしまおうみたいな感じがしてイヤ》
《旧アニメとは完全に別物として全く新しいものを作る方向性で最初からずっと突き進んでるのに、旧アニメ版のファンを少しでも取り込みたいと欲を出して情報の出し方を大幅にミスってる可能性が高そう。初報の時点でもう少し情報出てたら…》
《旧アニメの声優陣だと思って買った人たくさんいるだろうに、公開ギリギリまで隠して、土壇場で声優変更ですって、もう製作陣自体が人として信用出来ないぞ》

といった拒否反応が飛び交っている。

「同映画のプロデューサーは松井俊之氏。未だに〝伝説の映画〟と語り継がれている、実写版『デビルマン』のプロデューサーでもあります。オープニングを担当する『The Birthday』のボーカル・チバユウスケは『SLAM DUNK』を読んだことがないそうで、今回の主題歌発表時に《オファーが来て正直びっくりしました》とコメントしていました。原作者の井上雄彦氏が監督・脚本を手掛けているにもかかわらず、現代にあわせたSNSなどでのプロモーション活動が失敗し、情報解禁のタイミングが裏目にでているため、反発の声があがるのは当然のことでしょう」(同・ライター)

ジャンプアニメが映画界の覇権を握っている現在だが、「THE FIRST SLAM DUNK」はどこまで興行収入を伸ばせるのだろうか。公開を楽しみにしているファンが多いことを願いたいが…。

【あわせて読みたい】