【吉見健明のダッグアウト取材メモ】赤ヘル軍団と赤川次郎の深い関係

余談だが、浩二とは法政時代の同級生で交流は深かった。日南繁華街の片隅にあるスナックに、長いキャンプ取材を送る私のために、浩二は高級ブランデー『ヘネシー』を差し入れしてくれた。そのスナックで浩二は「赤川先生に凝っているんだ」と話していた。

あの浩二が小説なんて読むんだとビックリしたものだ。さらには徳川家康の時代小説も読んでいた。

そのころの選手は、読書といっても週刊誌か漫画が定番。キャンプ中も夜は、麻雀か飲み歩くのが普通だった。

私には、キャンプ中に読書にのめり込む浩二、衣笠、江夏の姿が想像できなかった。当時の広島カープの宿舎の日南ホテルに浩二を訪ねて行ったら、部屋には本当に赤川次郎の本が山積みされていた。

先日、改めて浩二に尋ねてみた。

「(赤川次郎)シリーズにはまったな。豊、キヌは、本を買わずワシに『貸してくれ』とやってくる。とにかく読めば読むほど面白くてね。シーズンに入っても遠征先に向かう新幹線でよく読んだ。当時の野崎(泰一)さん(監督代行、球団常務、代表などを歴任)が『漫画ばかり読んでいてはよくない。少しは本を読め!』と我々を教育してくれたのが、きっかけかな。赤川先生の小説を選んだのは、女房が薦めてくれたからや」

実は、私もあまり読書をするタイプでなかったので、浩二に見習って小説を読み始めた記憶がある。