セガを代表する「ソニック」シリーズの最新作『ソニックフロンティア』が、11月8日に世界同時発売された。シリーズ初のオープンワールドによるゲーム性が評価される一方、“日本語訳”については激しい批判に晒されている。
プレイヤーから日本語訳にツッコミ
「ソニックフロンティア」は、ニンテンドースイッチ、PlayStation 5、Steamなどのプラットフォームで発売。高速アクションを広大なオープンワールドで楽しめる「ソニック」シリーズの新境地だ。「日本ゲーム大賞 フューチャー部門」を受賞するなど、業界からのプッシュも厚い。
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— ソニック・ザ・ヘッジホッグ【公式】 (@SonicOfficialJP) November 8, 2022
Steamでは6,000を超えるレビューの9割以上が好評価。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いなのだが、こと日本ではそうもいかない様子。なぜなら、ゲーム中に表示される日本語の文章があまりに不自然だからだ。
実際にプレイした人からは、《翻訳がひっかかってシナリオに入り込みづらいのもったいない》《日本語翻訳は過去1で酷いのマジで意味不明》《日本語版は機械翻訳&無駄なテコ入れのせいでキャラ崩壊してる》といった声が。
さらに、《Google翻訳みたいなセリフが長くプレイしてるとどんどん気持ち悪くなってくる》《既存キャラのセリフがグーグル翻訳みたいな感じなのが嫌》と、「Google翻訳」と比較するプレイヤーも現れている。
オープニングから賛否のセリフ
同作のシナリオを担当したのは、アメリカのコミック作家であるイアン・フリン。英語ベースの脚本であるため、日本語でそれを表現しようとした結果、プレイヤーに混乱を招いてしまったのかもしれない。
翻訳の違和感はオープニングの時点で表れている。テイルスの操縦する飛行機が、謎の力により操縦が効かなくなるのだが、その時のセリフが「法則を無視した力場で操縦の結果が変化してる」「ロジックの差異が顕在化して因果の底に落ちて行っている」といったもの。
この部分の英語版は、「There’s some kind of atmospheric charge! Hang on!」と短いセリフ。おそらくテイルスの「天才メカニック」設定を表現するための意訳なのだろうが、プレイヤーの間では賛否が分かれている。
ちなみに英語版は過去作を意識したセリフが多いが、日本版では「ソニック」シリーズがあまり浸透していないのを配慮してか、過去作の要素を排除する方向性となっているという分析も。
翻訳チームはあくまで日本のプレイヤーを楽しませようと尽力したのだろうが、何とも皮肉な結果と言うしかない…。
文=野木
【画像】
Benzoix / PIXTA