ポリゴン放送事故にトゲピー原作改変…アニメ『ポケモン』がもたらした功罪

ポリゴン放送事故にトゲピー原作改変…アニメ『ポケモン』がもたらした功罪

ポリゴン放送事故にトゲピー原作改変…アニメ『ポケモン』がもたらした功罪 (C)PIXTA

放送開始25周年を迎え、いよいよクライマックスが近づいているとのウワサもあるTVアニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系)。同作が「ポケモン」というコンテンツにおいて果たした功績は、想像を絶するほどだ。しかしその一方、マイナスな効果を生んでしまったことも…。

出禁になった電脳戦士

アニメ「ポケモン」は、ゲームシリーズが原案になっているものの、世界観としては全く別物。各ポケモンの個性を際立たせるためか、どちらかというとアニメオリジナルの展開が多かった。

その中で良くも悪くも有名なのが、1997年12月16日に放送された『でんのうせんしポリゴン』という話。バーチャルポケモン・ポリゴンが初登場した回だが、作中で光が強く点滅する演出が用いられた結果、約700人以上の視聴者が体調不良を訴え、病院に搬送されたという。

俗に“ポケモンショック”と呼ばれる一連の放送事故により、アニメ「ポケモン」が一時放送取りやめになったのは有名な話。さらに、騒動の象徴になったポリゴンは今日に至るまでアニメ出禁状態になった。

もっとも、当該演出はピカチュウに施されたものなので、ポリゴンは完全なる被害者なのだが…。

人気ポケモンの風評被害も

ポリゴンの他にも、アニメオリジナルの描写が悪印象を与えてしまったケースは少なくない。たとえば、『ポケットモンスター ダイヤモンド&パール』の第142話『史上最悪のトゲピー』では、タイトルの通り、極悪非道なトゲピーが登場して大きな話題に。

元々のトゲピーといえば、つねにニコニコ笑顔でかわいらしいポケモン。しかし、件の個体は猫を被っており、イタズラ好きな性格。しかも顔つきが非常に悪く、ファンに強烈なインパクトを与えていた。これにより、トレーナーの間で腹黒設定が生まれてしまったのは言うまでもない。

また、2010年から放送された『ポケットモンスター ベストウイッシュ』でも、ヒロイン・アイリスの手持ちポケモンとして登場したカイリューが悪目立ちしていたことで有名。一般的に優しくて温厚なイメージだったが、それを大きく覆す暴れん坊で、“顔芸”とネタにされるほど鋭い目つきが特徴的だった。

さらに現在放送中の『ポケットモンスター』(2019年版)の第65話にて、ふたたび登場の機会が。サトシのカイリューとバトルすることになったが、メンチを切って威圧するなど、まるで不良のような立ち回りは変わっていない。原作のかわいらしいカイリューにとっては、風評被害と言えるだろう。

原作キャラの性格改変にも賛否

他方で、ポケモン以外にも登場キャラクターの設定が物議を醸したことも。とくに、『ポケットモンスター XY』のヒロイン枠として登場したセレナが、サトシに対して恋愛感情を抱く描写には、否定的な意見も伴っていた。

そんな声を踏まえてか、続編でさまざまな過去キャラが再登場する中、名前すら言及されなかったセレナ。一部の間では“アニポケ界のヴォルデモート”と呼ばれるようになり、ついには出禁説まで浮上していた。

しかし、「ポケットモンスター」(2019年版)の第105話に再登場したことで、無事ウワサを払拭。ただ、PVや予告などでも一切触れられていなかったあたり、何らかの配慮があった可能性は否めない。

多くの失敗や成功を重ねながら、歩み続けてきた25年間。本当に最終回を迎えるのか、それとも新たな時代へと進むのか、気になるところだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

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