立憲民主党の尾辻かな子氏が、JR大阪駅の御堂筋口で見かけたという『雀魂 -じゃんたま-』の広告について言及。公共の場で女性の「性的なイラスト」が描かれていることについて、フェミニスト的な視点から問題提起を行っていた。
アニメ&ゲームファンが猛反論!
今回尾辻氏が問題視していたのは、「雀魂 -じゃんたま-」と『咲-Saki-』シリーズのコラボを宣伝する広告。園城寺怜がバニーガールの衣装を着たイラストなどが描かれており、尾辻氏は《2022年の日本、女性の性的なイラストが堂々と駅出口で広告になるのか…》などと苦言を呈していた。
JR大阪駅の御堂筋口。こんな広告が…。2022年の日本、女性の性的なイラストが堂々と駅出口で広告になるのか…。 pic.twitter.com/nsNlJCMiEr
— 尾辻かな子 (@otsujikanako) November 25, 2022
これにSNSなどではやはりと言うべきか、《何が問題なのかさっぱりわかりません》《この方からしたら、ワカメちゃんもあかんのかな》《アニメに限らず「性的だ」とか言ってるやつこそ、対象を性的な目でしか見てないのでは?》《この画像見ても私は全く性的なイラストだと感じませんでした》《局部出てるわけでもない、ただのイラストやんけ》といった声が。
フェミニストがアニメやゲームの広告に難癖をつけ、オタクたちが猛反論するいつもの流れだ。
本当に“性の商品化”は女性キャラだけ?
よほど反論が殺到したのか、尾辻氏は真意をより詳細に説明。多くの人が通行する公共空間において、「女性の性の商品化に無自覚」な広告が載っていることについて、「環境型ハラスメントの類型にも当たり得る」と指摘していた。
ただ、あくまで公共空間の広告のあり方について議論を提起したものとして、“表現規制”の意図がないことをはっきり断言。《広告を法、条例で規制することは抑制的で慎重であるべきだと考えます》などと語っている。
「雀魂 -じゃんたま-」の広告が性的かどうかはさておき、尾辻氏が「男女の非対称性」へ言及していることに、アニメファンからはツッコミの声も。以前からオタク界隈では、女性向け広告の“特別扱い”が疑問視されてきた。
たとえば、かつて駅構内などで公開された『劇場版 Free!-the Final Stroke-』などの広告では、それなりに男性の肌が出ているため、「性的なイラストが描かれるのは女性だけではない」といった意見が。たしかに露出度の点でいうと、女性向けコンテンツと比べて、「雀魂」広告が過剰に肌を出しているとは言えないだろう。
女性向けの広告が「性的である」と騒がれず、男性の体は良しとされていることこそが、“男女の非対称性”そのもの…と言えるかもしれない。
文=大上賢一
【画像】
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