大人になれないポケキッズを風刺?『ポケモンSV』に学生服の“中年モブ”大量登場

大人になれないポケキッズを風刺?『ポケモンSV』に学生服の“中年モブ”大量登場

大人になれないポケキッズを風刺?『ポケモンSV』に学生服の“中年モブ”大量登場 (C)PIXTA

数十年にわたって日本国民を魅了してきた国民的ゲーム『ポケットモンスター』シリーズ。最新作の『スカーレット・バイオレット』(ポケモンSV)では、一風変わったモブキャラたちが多く登場するのだが、そこに現状の“風刺”を読み取る人も現れている。

ゲーム内のモブキャラも高齢化

「ポケモン」といえば、個性豊かなモブトレーナーたちが1つの魅力。「ポケモンSV」の場合には、主人公が『オレンジアカデミー/グレープアカデミー』という学園に入学することもあり、対戦相手には学生が多くなっている。

ところが公式サイトにて「入学する年齢は不問」と記載がある通り、学生だからといって若いとは限らない模様。明らかに10代ではない年齢のモブキャラたちが登場するのだ。

見た目年齢でいうと、30代から50代ほどの中高年にあたりそうな学生もチラホラ。髭が生えている男性や、ロマンス・グレーの男性など、歴代の作品とは雰囲気の違うトレーナーがうろついている。

ユーザーたちもさすがに中高年の「学生」という設定には違和感を覚えたようだ。さらにこの設定を、「ポケモン」をいつまでたっても卒業できない中高年ユーザーに対する“皮肉”と考える人も少なくない。

現代のピーターパンに対する風刺か

ネット上では、《モブが子どもの格好したおじさんおばさんばっかりなのは、風刺だと思う》《モブトレーナーが自称学生のおっさんだらけなのって、いつまでもポケモンを卒業できないピーターパン症候群気味の俺らを風刺してるってホント?》といった説が出回っている。

実際に現代の「ポケモン」といえば、いい大人たちが努力値などと騒ぎながらプレイするものとなっており、新作が発売されるたびに過去作との比較で大暴れする始末。本来は子どもが遊ぶゲームにもかかわらず、もはや大人のほうが熱を上げている状況だ。

先日公開された「ポケモンSV」のCMも、そうした現状を意識したような内容。永山瑛太が扮する“謎の男”が、現実に疲れたようなOLに対して、「ポケモン」の世界に行くことを勧めるストーリーとなっていた。初代『赤・緑』のテーマが流れることからも、明らかに大人向けのCMと言っていいだろう。

おそらく公式も、「ポケモン」ユーザーの高齢化を重々承知しているはず。プレイヤー視点では皮肉や風刺に見える描写も、たんに“現実”をリアルに描いているだけなのかもしれない…。

文=大獄貴司

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