PCゲームプラットフォーム『Steam』がリリースする携帯ゲーム機『Steam Deck』が、12月17日に日本へと出荷されることが明らかに。市場的に競合するゲーム機の登場によって、プレイステーションがさらなる窮地に立たされるかもしれない。
夢の携帯ゲーム機になるか
「Steam Deck」は、PCで操作するのと同じように、「Steam」のライブラリにアクセスして遊ぶことができる画期的なゲーム機。一応説明しておくと、「Steam」とは世界各国のゲームをダウンロードして楽しめるプラットフォームだ。
日本のカプコンやスクウェア・エニックスなどの大手会社から、海外のインディーゲームメーカーまで、無数のゲーム会社が自社ソフトを配信している。
2022年12月17日より日本、韓国、台湾、香港の #SteamDeck 出荷開始!
17日までにご注文いただいた場合、期間限定で送料無料となります。https://t.co/KTV27BmrYN pic.twitter.com/ItAMa94XeM— Steam Deck (@OnDeckJP) November 30, 2022
すなわち「Steam Deck」では、これまでのゲーム機と違い、「PC向けゲームを携帯ゲーム機で遊ぶ」ことが可能に。公式サイトでは「世界で最もパワフルなフル機能の携帯型ゲーミングPC」という紹介文もあるが、PC向けゲームに対応したスペックが追求されているのだろう。
互換性などの都合で、すべてのソフトが対応しているわけではないようだが、「Steam」上の互換性チェックを見てみるとラインナップは十分豪華。たとえば人気タイトルの『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』や『エルデンリング』、『Apex Legends』などもチェックの要件を満たしていた。
そんなゲーム機の登場によって、シェアを奪われる可能性が高いのがプレイステーションだ。
ニンテンドースイッチと並び二強体制も
昨今ではゲームソフトのマルチプラットフォーム展開が当たり前になっており、一部の独占タイトルを除いて、プレイステーションでリリースされているソフトのほとんどは「Steam」でもプレイ可能になっている。
つまり「Steam Deck」は、実質的に据え置き機であるPS4やPS5のゲームを携帯機で遊べるようになる画期的なハードというわけだ。
スペック面では雲泥の差があると思われるかもしれないが、「Steam Deck」でも専用周辺機器を導入すれば、PS5並みの画質を出力できるという。
はやくも国内のゲーマーからは、《Steam Deckがウケたらまじでプレステ終わると思う》《Steam Deckの登場、プレステはマジで危機的状況じゃないの?》と危惧する声が。実際に、《PS5の抽選外れ倒したし、SteamDeck 買おうかなぁ》と考慮する人の姿も見受けられる。
また、現在『ソニー』が携帯ゲーム機市場から完全に撤退しているというのも、「Steam Deck」にとっては大きな追い風。2011年に発売されたPlayStation Vitaが実質的に同社最後の携帯ゲーム機となっており、市場はニンテンドースイッチによって完全に掌握されている。
ただ、ニンテンドースイッチのメジャータイトルは、基本的にライトゲーマーをターゲットにしたものが多い。
そのため、「Steam Deck」にはプレイステーションやPCをメインにプレイするコアゲーマー層を取り込む余地があると言えるだろう。
「Steam Deck」の登場が、プレイステーションへのトドメにならないといいのだが…。
文=「まいじつエンタ」編集部
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