『マクド』『完全メシ』…過激な演出でクレームが殺到したCM3選

伊藤沙莉 

伊藤沙莉 画/彩賀ゆう (C)まいじつ 

2022年も多くのCMが制作・放送され、話題を呼んだ。

ファーストフードチェーン『マクドナルド』の風物詩メニュー『三角チョコパイ』のCMは、悪い意味で話題を呼んでいた。

2022年は、定番の『三角チョコパイ 黒』と、初登場の『三角チョコパイ 白の王様』の2種類を発売。10月には「黒と白の王様」篇と題し、俳優の伊藤沙莉と志尊淳を起用したCMが放送された。

CMは、紅葉が散りばめられた場所で、伊藤が「今年ーもやっと食べれーる」と歌い出す。そこへ志尊が「三角チョコパイ」を手にしながら駆け寄り、2人は「われらーの秋が来たー」とハモる。

さらに落ち葉を舞い散らせながら秋を前面に押し出し、その後は2人で「三角チョコパイ」を食べて美味しさもアピール。癖になる独特なメロディーの音楽と、紅葉の美しい景色が見事にマッチしたCMとなっていた。

人気商品「三角チョコパイ」のこちらのCMだが、目にした人々は不快感を覚えた模様。特に音楽が耳に残るようで、ネット上では、《なんか三角チョコパイのCMがイヤだ。なんでかイライラする》などの批判が続出。

21年も同じ楽曲が使用されたが、同様に賛否が分かれる結果となってしまった。

だが、視聴者に不快感を与えてインパクトを残すCMこれに限らない。

食品のCMにVTuberを起用

メガネやサングラスなどのアイテムを販売している、全国チェーン『OWNDAYS(オンデーズ)』。

同社のCM第1弾「ダンス篇」は、「オン、オン、オンオンオオンデーズ」という耳に残る歌声と共に、メガネ姿の女性がダンスを繰り広げる内容。

1人の女性が3種類の服装で登場し、3人に分裂した姿で楽曲に合わせて踊りを披露するものとなっていた。

また11月には「ダンス篇」第2弾の放送もスタート。第1弾では3人に分かれていたが、今度は複数人に分裂してダンスを披露。

その数は画面を埋め尽くすほどで、しかもそれぞれが個性的な衣装に身を包み、目がチカチカするほどカラフルに仕上がっていた。

そんなインパクトが強く、頭から離れなくなりそうな楽曲を使用した同社のCMだが、視聴者からの評判は悪い。ネット上には、《オンデーズのCMが気分悪いから、何度も流さないでほしい》などの酷評が殺到した。

そして、奇をてらったCMばかりを生み出し、迷走している大手食品会社『日清食品』のCMも、悪い意味で話題を呼ぶことに。同社が販売する『完全メシ』のCMは、何度もお茶の間を凍らせた。

CMは「栄養バランス満点! 完全メシですわ~」といった、バーチャルライバーグループ『にじさんじ』所属のVTuber・壱百満天原サロメの口癖である〝お嬢様言葉〟から始まる。

そして「お日清様のお完全メシとは、おカレーメシやおラ王に33種類の栄養素が入っていて…」などと、特徴的な甲高い声で商品の魅力をPR。

さらに「栄養素の音~!」といったネットミームも盛り込まれ、サロメの配信の延長であるかのようなテイストのCMに。時間も60秒と長尺で、通常の15秒CMとは一線を画していた。

多くのサロメファンは当然、大興奮。しかし地上波に映し出されたキャラの濃いVTuberを受け入れらない人も多いようで、《リアタイで見たけど、お茶の間にはかなりきつめの声質だったな》などブーイングが巻き起こっていた。

「以前から『日清』はネット民に媚びたCMを流し、賛否を呼んできました。『カレーメシ』や『0秒チキンラーメン』のCMにも『ホロライブ』のVTuberを起用しており、あまりにも狙った内容から、一般視聴者からは《ツイッター民が好きそう》などの声が。VTuberファンの支持を得るのは企業の戦略として成功なのかもしれませんが、それと引き換えに多くの人に悪い企業イメージを植え付けてしまったことは否めないでしょう」(ネットニュース編集者)

CMは予期せぬタイミングで流れるものなだけに、大衆受けを狙うことは難しい。しかし、クレームが出ている以上、何かと改良の余地はありそうだ…。

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