「脱・キラキラ」が印象的だった2017年の邦画を総括

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

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2017年の日本映画を個人的に総括すると“脱・キラキラ映画”の年だったなあ、と思う。誰が呼んだか“キラキラ映画”とは、10代から20代の若い女性をターゲットに、コミックスや小説を主な原作としたキラめく恋愛映画の総称である。

東日本大震災のあとあたりから、現実を忘れたい気分とマッチしたのか量産され続け、2017年はピーク期に達したとも言えた。『君と100回目の恋』『PとJK』『先生!』などその数10数本。さすがに飽きるだろう。事実、興行的に失敗の作品も目立ってきた。いつの時代でも、この手の映画も必要なのはもちろんだが、それにしても作り過ぎた感がある。

それに代わるようにして、今年台頭し、“マイ・ブーム”ともなったのが、ビターな若者映画の一群である。作品の舞台は都会、地方とさまざまだが、例えば『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(以下『夜空は』)、はたまた『彼女の人生は間違いじゃない』(以下『彼女の』)、あるいは『月と雷』とかである。いずれも苛烈な現実に抗いながら、一番大切な“個“を失うことなく、それでも生きていく若い男女の労働、恋愛、人生、時に性愛を、きれい事でなく描いており、決して安易なハッピーエンドにも向かわない。

 

「アンチ・キラキラ」に光る作品

俳優陣も『夜空は』の主演の池松壮亮、助演の松田龍平、田中哲司が素晴らしく、ヒロインに抜擢された新人女優・石橋静河(あまり語られないが、両親は著名男女優)の存在は圧倒的!

一方『彼女の』はヒロインの新進女優・瀧内公美の名を高めるにふさわしく、高良健吾、光石研の助演も見事。『月と雷』はその高良健吾が主演で、母親役の草刈民代がこれまでのイメージを一新する熱演を披露していた。瀧内や『月と雷』のヒロイン、初音映莉子はヌードも辞さずで、このへんも“キラキラ映画”には真似できないところだろう。

前出の『PとJK』など“キラキラ映画”を何本も撮っているベテラン・廣木隆一監督が『彼女の』を撮り“やる時はやる”ところを見せてくれたのが象徴的だ。

ほかにも長澤まさみの『散歩する侵略者』、吉高由里子の『ユリゴコロ』など、地球侵略やシリアル・キラーなど異様な題材に挑んで“女を上げた”女優たちもいた。男優たちなら、若い女性に人気の菅田将暉が、若者群像に挑んだ『あヽ、荒野』『火花』に連続主演してアンチ・キラキラしてくれた。オヤジたちだって『アウトレイジ 最終章』などでギラギラしてくれた。

キラキラからギラギラへ。それを2017年の“合言葉”としたい。

(映画評論家・秋本鉄次)

 

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