『silent』とは大違い? 映画『ケイコ 目を澄ませて』に絶賛相次ぐ

岸井ゆきの 

岸井ゆきの 画/彩賀ゆう (C)まいじつ 

12月16日に公開された、岸井ゆきの主演の映画『ケイコ 目を澄ませて』が絶賛されている。

10月クールのドラマ『silent』(フジテレビ系)と同じく、聴覚障がいのある主人公を描いているのだが、作品の評価は大きく異なるようだ。

「ケイコ 目を澄ませて」は、聴覚障がいがありながらも、プロボクサーとしてリングに立った、小笠原恵子氏の生き方から着想を得た作品。

監督は『きみの鳥はうたえる』の三宅唱氏が務め、両耳が聞こえないボクサー・小河ケイコを岸井、彼女を見守るジムの会長を三浦友和が演じている。

「主人公のケイコは、ゴングの音もセコンドの指示もレフリーの声も聞こえず、ただじっと目を澄ませて闘うという難しい役どころ。岸井はクランクインの3カ月前からトレーニングを積んできたといいます」(映画ライター)

『ケイコ 目を澄ませて』に絶賛の声

12月19日発表の『国内映画ランキング』(興行通信社調べ)ではランキング圏外だったものの、劇場に足を運んだ人からは

《全てが完璧としか言いようがなくて、映画を見て初めて味わう感情がありました》
《コロナ以降を描いた現代の映画なのに、90年代絶頂期の北野武の映画を彷彿とさせるような質感の映画だった。『キッズ・リターン』に比肩する傑作》
《主役は最後にやってくる。間違いなく2022年日本映画のベスト!》
《主人公の耳が聞こえないので全体的にセリフは少なめ。おかげで環境音がめちゃくちゃ鮮明に聞こえます》

といった絶賛のコメントが続出している。

「国内だけでなく、2月に開催された『ベルリン国際映画祭』でプレミア上映された際には、《全ての瞬間が心に響く》と熱い賛辞が贈られていました」(同・ライター)

また、ドラマ『カルテット』(TBS系)や『大豆田とわ子と三人の元夫』、『エルピス―希望、あるいは災い-』(ともにフジテレビ系)を手がけた佐野亜裕美プロデューサーも絶賛。

自身のツイッターで《連続ドラマでも小説でも漫画でもできない、映画でしかできないことというのがなんなのか、今まではわかっているようでわかっていなかったのかもしれない、と思わされる素晴らしい映画だった》と評価している。

「同じく聴力障がいを扱ったドラマ『silent』は、最終回前に失速。12月18日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)に脚本家の生方美久氏が出演した際、『silent』ついて『日本語がわかる人に観てほしい』などと発言し、ちょっとした炎上騒ぎに発展しています。

聴覚障がいをテーマの一つにした作品として、両者を比較して優劣をつけているユーザーも多いようですね」(同)

ちなみに生方氏も「ケイコ 目を澄ませて」を鑑賞した1人。《ラストカットが最高すぎた》と自身のツイッターで称賛しており、同映画にかなり感銘を受けたようだ。

「silent」放送前に観に行っていれば、ドラマの評価もまた変わっていたのだろうか…。

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