『M-1』は採点方法を変えるべき? 止まらない点数のインフレ化に苦言

井口浩之 

井口浩之 (C)まいじつ

過去最多となる7261組の出場者が参加した『M-1グランプリ2022』で、『ウエストランド』が見事王者に輝いた。しかし、今大会では採点方法についての議論が白熱し、その方法を変えるべきという意見も聞かれる。

2022年大会から、これまで審査員を務めていた上沼恵美子とオール巨人が勇退。代わりに『博多華丸・大吉』の博多大吉と山田邦子が審査員に加わった。特に審査員初挑戦の山田には放送前から注目が集まっていたが…。

「山田の採点は84~95点までと、他の審査員に比べて幅がありました。しかも最低得点がネタ順1番手の『カベポスター』、最高得点が2番手の『真空ジェシカ』だったため、大きな物議を醸しました。とはいえ、山田の点数はその後ほとんどブレていないため、優勝結果には大きく関係していません」(お笑いライター)

審査員の意向を汲む採点方法は?

むしろ山田がつけた点数よりも、問題視されているのが点数のインフレ化だ。昔のM-1は80点以下の点数がつくこともザラにあったが、ここ最近は滅多に見かけない。

今大会に関しても『サンドウィッチマン』富澤たけしと『中川家』礼二は、『ダイヤモンド』を除く9組に90点台を、博多大吉にいたっては10組すべてのコンビに90点以上をつけていた。

「そもそも漫才やコントは、客観的な評価が難しいジャンル。同じように評価しにくいフィギュアスケートやアーティスティックスイミングでは、最高点と最低点を除いて〝平均点〟で審査しています。

例えばフィギュアスケートは、9人の審査員のうち事前の抽選で2人が外れて7人の審査に。さらに7人の中から最高点・最低点を出した2名を除外し、残った5人の平均点を算出してGOE(各要素の出来栄え)を評価しています。

同様の採点方法をM-1でも取り入れれば、お笑いファンの意向を汲めるのではないでしょうか」(同・ライター)

果たして大会の批判や意見は、次回大会に反映されるのだろうか…。

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