ここ数年、声優業界ではYouTube進出ブームが起きているが、知名度のある人でも、ほとんどが苦戦している厳しい状況。ところが『まちカドまぞく』の吉田優子(シャミ子)役などでお馴染みの小原好美は、例外的に好調な伸びを見せているようだ。
ファン待望のYouTubeチャンネル!
小原は10月21日に「声優小原好美、YouTube始めます!」という動画を投稿すると、YouTubeでの活動を本格化。
概要欄に記していた「朗読をしたり、ギターを頑張ったり、私の『好き』をどんどんやっていけたらいいなと思っております」との言葉どおり、さまざまな企画を行っている。
どうやら本気でチャンネルを伸ばす気があるようで、流行りのASMR企画として、「小原好美が囁きながらお菓子を食べるだけの動画」も投稿していた。
小原はシャミ子の他にも、『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』や『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』などの話題作で人気キャラクターを演じている声優。その勢いも後押ししたのか、チャンネル登録者数はわずか2カ月ほどで約8.3万人を突破している。
動画の再生数も悪くない方で、10万回再生以上の動画もちらほら存在。まだ投稿されている動画の数は少ないものの、まだまだ伸びるポテンシャルがありそうだ。
実際にYouTube活動を喜んでいるファンは多いようで、《小原好美さんがYouTubeを始めたと知ってずっと見ていた》《小原好美ちゃんのYouTubeが金曜日の癒しになりつつある》《ASMRしてくれるの控えめに言って神》《小原好美さんのYouTube動画見たらかわいすぎて天国かと思った》といった声が上がっている。
声優がYouTubeで成功する秘訣は?
コロナ禍以降、声優たちのYouTube参入が活発になったが、意外と成功している人は少ない印象だ。
たとえば『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの長門有希などを演じてきた茅原実里も、今年4月に公式YouTubeチャンネルを開設したが、チャンネル登録者は2.9万人ほどにとどまっている。
再生数も最近は1万回再生に達しないことがほとんど。声優としての知名度だけでは、伸び悩んでしまうのかもしれない。
最近の若手声優を眺めてみても、『ラブライブ!スーパースター!!』で唐可可を演じたLiyuuが約6.4万人。そして、比較的ネットに強いイメージがある『ウマ娘 プリティーダービー』エアグルーヴ役の青木瑠璃子も、約5.9万人に収まっている。
小原の2カ月で8.3万人という数字が、どれだけ強いかわかるだろう。
やはりYouTubeで成功するには、一般のユーチューバーと同じくリスナーが望むコンテンツを提供することが最重要。花江夏樹などは元々動画界隈出身だったこともあり、もはや普通の配信者として勝負できるレベルのコンテンツを提供している。
また中村悠一のYouTube配信も大人気だが、彼は“ゲーム好き”という自らの個性をフル活用している印象だ。
小原もファンが望む動画をコンスタントに投稿し続ければ、人気YouTuber声優の仲間入りを果たせるかもしれない。
文=大上賢一
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