オタクはフェミニストを論破できない!?“権力恋愛もの”が流行る「なろう系」界隈の闇

オタクはフェミニストを論破できない!?“権力恋愛もの”が流行る「なろう系」界隈の闇

オタクはフェミニストを論破できない!?“権力恋愛もの”が流行る「なろう系」界隈の闇 (C)PIXTA

先日世間を騒がせた、対戦型麻雀ゲーム『雀魂 -じゃんたま-』と、テレビアニメ『咲-Saki-全国編』のコラボポスター炎上騒動。アニメキャラを使用した広告が出るたび、似たような騒動が起きており、オタクvsフェミニストの構図はすっかり定着しつつある。

しかし近年流行している男性向けオタクコンテンツを見ると、そこには“性的搾取”と指摘されても言い訳できない状況が広がっているようだ。

「奴隷ヒロイン」という加害性

槍玉に挙げられているのは、小説投稿サイト『小説家になろう』で話題の“奴隷ヒロイン”というジャンルだ。

その内容は、ジャンル名の通り。奴隷として虐げられ育った身寄りのない少女を、奴隷商人から主人公が買い取り、自分の嫁にする…という展開がメインとなっている。

同ジャンルの人気小説である『盾の勇者の成り上がり』や『異世界迷宮でハーレムを』は、アニメ化されるほどの大ヒット作品となった。

また、「奴隷ヒロイン」まではいかなくとも、なろう系ではメイドや部下など、権力差のある上下関係と恋愛ものを組み合わせるジャンルが受けているようだ。

オタクたちの間でも賛否が分かれるジャンルであり、《モテない男の欲求を素直に描写しすぎ。自分に自信が無いからポジションでマウンティングするんだろうな》《ジャンルとしては好きだけど欲望に露骨すぎて読んでいて自己嫌悪が湧いてくる》といった意見も飛び交っている。

ソシャゲでよくある“権力ベース”の恋愛

このように主人公が権力差のあるヒロインと恋人同士になるジャンルを、仮に「権力恋愛もの」と呼ぶとしよう。

なろう系にかぎらず、ソシャゲなどのコンテンツでは同ジャンルはありふれたものだ。

たとえば赴任してきた先生と女子生徒たちとの関係を描く『ブルーアーカイブ』、プレイヤーがトレーナーとなり、競走馬の女の子たちを世話する『ウマ娘 プリティーダービー』など、人気ソシャゲに共通する描き方となっている。

これはソシャゲから始まった文化というよりは、いわゆる“アイドルもの”から発展した関係性の描き方だろう。

プロデューサーの主人公と、プロデュースされる多数のアイドルたち…というマルチヒロインのラブコメ構造だ。

もちろん、権力をベースとした人間関係を描くことに問題があるわけでは決してない。

あくまで好き嫌いの問題であり、表現の自由は保障されている。

ただ、それが「奴隷ヒロイン」という露骨な表現に至ってしまえば、世間的に反感を買ってしまうのも当然のこと。

炎上騒動が起きた際、「性的搾取など行っていない」と言い逃れすることが難しくなってしまう。

自分たちの世界を守るためにこそ、表現の倫理や“加害性”と真面目に向き合うことが必要なのかもしれない…。

文=「まいじつエンタ」編集部

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