木村拓哉『レジェンド&バタフライ』大ヒット記録も喜べないワケ

木村拓哉 

木村拓哉 画/彩賀ゆう (C)まいじつ

木村拓哉の主演映画『THE LEGEND & BUTTERFLY(レジェンド&バタフライ)』が、1月27日に公開された。

映画ランキングで初登場1位を飾るなど、好調な滑り出しを見せたものの、赤字疑惑が囁かれている。

同作はこれまで何度も映像化されてきた織田信長という人物を、その妻・濃姫目線でも描いた感動スペクタクル巨編。

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信長役を木村、濃姫役を綾瀬はるかが務め、共演キャストにも市川染五郎、斎藤工、北大路欣也、伊藤英明、中谷美紀などの豪華メンバーが勢揃いしている。

「映画を手掛けた大友啓史監督の『東映創立70周年記念映画に相応しい場を』との思いから、全国30カ所以上で撮影されました。

そのほとんどが国宝、重要文化財であり、霊鑑寺や神護寺、篠山城、臨済宗建仁寺派妙光寺などで撮影されています。

総製作費は実に20億円にのぼるそうで、それだけ気合の入った作品ということがわかりますね」(映画ライター)

大ヒットなのに喜べない!?

1月30日発表の国内映画ランキング(興行通信社調べ)によると、「レジェンド&バタフライ」は初登場1位を獲得。

『THE FIRST SLAM DUNK』の9週連続首位を阻止する好スタートを切っている。

また週末3日間で37万1000人の観客を動員し、興行収入は4億9700万円。しかし、この調子だと赤字になるのではないかと懸念する声も少なくない。

「モデルケースになるのは、昨年公開された福山雅治主演の『ガリレオ』シリーズ最新作『沈黙のパレード』。

公開から4日で6億9600万円を記録したこの作品は、結果的に30億円前後の興収を記録しました。

そして『レジェンド&バタフライ』もまた同じような滑り出しであるため、『沈黙のパレード』と同じ興収推移を辿ると予想できるでしょう。

興収30億円となると、数字の上ではヒットのように思えますが、総製作費20億ですからね…」(同・ライター)

国内映画のヒット基準は10億円といわれるものの、東映70周年記念映画としては少し物足りない数字だろう。

映画鑑賞者の反応は微妙で《出演者も豪華だし、セットも金かかってるなという印象。でもストーリーはイマイチかな、リピートはナシ》《淡々と進むストーリー、セリフが少なく映像だけのシーンが多く、とても退屈でした》《上映3分後には席を立ちたいと思いました。キムタクの我が強いため、戦国時代にタイムスリップ出来ず、最後まで現代の木村拓哉を観ているようでした》《映画館で見るものではありません。テレビの特番で十分です。信長を馬鹿にし過ぎです》など冷ややかな声が寄せられている。

ちなみに2月3日からは、映画『鬼滅の刃 上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』の上映が控えているため、次週の国内映画ランキングは「鬼滅の刃」がトップを飾ることになるだろう。

製作費20億円を費やしても元が取れないのであれば、日本の映画界がアニメに全振りするのも無理はないのかもしれない。

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