『大怪獣のあとしまつ』は圏外…2022年日本映画ワースト10に異論噴出

画/彩賀ゆう

季刊誌『映画芸術』による『2022年日本映画ベストテン&ワーストテン』が、物議を醸している。

ベストテン1位は俳優・岸井ゆきのが主演を務めた『ケイコ 目を澄ませて』が輝いた。難聴の元プロボクサー・小笠原恵子が自叙伝として出した『負けないで!』が原案。小さなボクシングジムに通う、先天性難聴のケイコ(岸井)のデリケートな心的描写を、16ミリフィルムで捉えている。

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一方、ワースト1には俳優・広瀬すずと松坂桃李のW主演作品『流浪の月』が選ばれた。

同誌のランキングに関しては、他の映画賞で高評価の映画をワーストにすることがあり、毎年ネットで論争が勃発することで知られている。

今年も『映画芸術』のランキングに一喜一憂

今年も発表されたランキングに《本気で「大怪獣のあとしまつ」より「流浪の月」の方が出来が悪いと思ってるの?》《アカデミー賞の逆張りでしょ。大衆に迎合しませんって感じのランキング》《昔から映画芸術のベスト・ワーストは天邪鬼なところがあったから、今年もまたか…って感じ》《公開規模が小さいほど価値が高いって先入観ありきなランキングな気がする。メジャーな作品をフラットに観てる評価には感じられない》など、落胆の声が上がっている。とくに、ワーストに対しての異論が多い。

ここで復活を望む声が上がっているのが、現在は休止している賞だ。

「『映画芸術』は発行人の映画監督・荒井晴彦氏自身の作品が1位を獲得する一方で、一般的に高評価の作品がワーストになるなど、クセの強い選考でたびたび物議を醸しています。今年のワーストは、特撮ファンの間で酷評が飛び交った『Hey!Say!JUMP』の山田涼介主演の『大怪獣のあとしまつ』が1位と思いきや、まさかのランク外に。

評価の高かった『流浪の月』がワースト1位だったことで、大荒れしました。これらの反応は『映画芸術』の狙い通りといったところでしょう。このようなランキングでは『映画秘宝』の『HIHOはくさい映画賞』に定評がありましたが、同誌の休刊にともなって19年で休止してしまったのがつくづく残念ですね」(映画ライター)

「大怪獣のあとしまつ」は評価するに値しないほどの作品ということなのだろうか。

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