回転寿司で迷惑行為が起こるのは当然? 10年前のバカッターから学ばない企業

スシロー 

スシロー (C)BPYF / Shutterstock

ここ最近、大手回転寿司チェーンが、一部のマナーがない客の悪質なイタズラ被害を受け続けている。

この一連の騒動に、およそ10年前に大きな問題となった、いわゆる〝バカッター騒動〟を思い出す人も多いのではないだろうか。

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もちろん迷惑客が全面的に悪いのは間違いないが、過去に同様の事件が頻発していたこともあり、何の対策もしてこなかった企業側を問題視する声も見受けられる。

先日、回転寿司チェーン『スシロー』で、男子高校生が迷惑行為に及んでいる動画がSNSで拡散された。

金髪の少年が湯呑みや醤油のボトルを舐めて、そのまま元の場所に戻すといった不衛生で不愉快極まりない内容である。

この騒動を受けてスシローは1月30日、公式サイトに「SNSで拡散されたスシロー店舗での迷惑行為について」と題した文面を掲載。

「早急に警察と相談させていただきながら刑事民事の両面から厳正に対処してまいります」とコメントを寄せていた。

「SNSの普及により、普段は日の目を浴びることがないただの一般人が、簡単に注目を集められる時代。そんな風潮によって大ダメージを喰らったのが、大手回転寿司チェーンだったのです。

機械化が進んで店員が巡回していないといった点から、承認欲求を拗らせた人々の標的になりやすいのでしょう。

今年に入ってから『はま寿司』『くら寿司』なども、いたずら系動画の被害を被っています」(時事ライター)

10年前のバカッターから問題視されていたのに…

ここにきて再び大きな注目を集めている迷惑客のイタズラ動画だが、長年にわたって問題視されてきた案件である。

そのため、ネット上では《もう回転寿司行けない。企業側も何か対策しないのかな。何年も言われてるのに》《今までの良識に任せた社会が成り立たなくなるのは寂しいけど、しょうがない。企業側も対策を講じる責任はある》《この手のいたずらは昔からあって企業として対策してこなかったくせに、今回の件で断固たる対応をして、さも良心的に見せているのが欺瞞に満ちていて問題だと思う》など、企業側への厳しい意見も少なからず上がっている。

「かつての若者はツイッターに迷惑行為の動画をアップしていましたが、現在は『TikTok』や『インスタグラム』に移行しています。

10年前も回転寿司店での迷惑行為は横行しましたが、若者が使うツールが変化し、当時のバカッターを知らない世代が同じことを繰り返しているだけです。

いつの時代も迷惑行為に及ぶ若者は少なからずいるので、やはり企業は〝バカッター騒動〟を教訓に、10年前から対策を講じるべきだったでしょう。

もちろん対策にもお金がかかるので、しっかりと損害賠償を請求したほうが、業界のためにもなります」(同・ライター)

ちなみに今回の騒動でスシローの株価が大幅に下落し、一時、時価総額が160億円ほど減ったとも言われている。

刑事と民事で裁かれる可能性のある迷惑客にとっても、時価総額が急落した企業側にとっても、高すぎる勉強代になったかもしれない。

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