なぜ伏黒恵が狙われた?『呪術廻戦』宿儺のナゾを解き明かす“古文書”の存在

なぜ伏黒恵が狙われた?『呪術廻戦』宿儺のナゾを解き明かす“古文書”の存在

『呪術廻戦』21巻(芥見下々/集英社)

2月6日に発売された『週刊少年ジャンプ』10号にて、『呪術廻戦』が衝撃の展開を見せた。両面宿儺が伏黒恵に対して謎めいたアプローチを仕掛けたのだが、その理由について、読者の間ではさまざまな考察が飛び交っている。

宿儺が「伏黒推し」だった理由

混迷を極める死滅回遊の真っただ中、第212話『熟む(2)』では、宿儺がかつて虎杖悠仁を結んだ契約を発動し、体を一時的に乗っ取ってみせる。そして宿儺は自らの指を無理やり食わせることで、今後は伏黒の体へと入り込むのだった。

ずっと虎杖に宿っていた宿儺が、ここにきて伏黒へと乗り換えるという衝撃の展開。これまでも宿儺は伏黒を狙っている節があったが、一体何を目論んでいるのだろうか。

まず思い浮かぶのは、伏黒が操る術式「十種影法術」の存在だろう。とりわけ「八握剣 異戒神将 魔虚羅」はあらゆる事象へ適応し、全ての攻撃を跳ね返すという作中最強の式神だ。何らかの形で魔虚羅を利用するため、伏黒を狙っていたという説が存在した。

しかしこの説については、作者の芥見下々が直々に否定している。2021年に放送された漫画専門番組『漫道コバヤシ』にて、“宿儺が狙っているのは魔虚羅ではない”といった発言で否定していたのだ。

また同放送では、今後の展開についても語られていた。ピー音で隠されていたため、確定はしていないのだが、宿儺が理想の世界を作り出すために、伏黒の存在自体を欲している…といった可能性が示されている。

能力の真価は“死者蘇生”にあり!?

宿儺が狙っているのが魔虚羅ではなく、“伏黒自身”だとして考察を進めよう。ここでカギを握るのが、「十種影法術」の元ネタとされている「十種神宝(とくさのかんだから)」にまつわる逸話だ。

「十種神宝」は、日本の神典である『先代旧事本紀』に登場する10種類の宝物。また、同書に記されている「布瑠の言」は、死者を蘇らせる言霊といわれ、作中にて伏黒が魔虚羅を呼び出す際の「布瑠部由良由」という呪文も、そこから取られていた。

さらに「十種神宝」の1つ、「死返玉(まかるかへしのたま)」は、死者を蘇らせる力があるとのこと。これらの情報から、伏黒の「十種影法術」にも“死者蘇生”にまつわる力があるのではないかと推測されている。

だとすると宿儺が伏黒にこだわっているのは、「十種影法術」に隠された蘇生術によって、本来の自分を現代に蘇生させることが狙い…とも考えられるだろう。

また蘇生術を使用できれば、大量の死者を世界に呼び戻し、混沌に陥れることも可能だろう。残忍な宿儺にとっては、それこそが“思い通りの世界”なのかもしれない。

果たして宿儺の本当の目論見は何なのか。さらなる絶望に備えつつ、次回以降の展開に期待しよう。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ