呑兵衛を狙い撃ち!軽減税率で「財務省の罠」にはまるビール業界

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(C)まいじつ

また、ささやかな庶民の愉しみを奪うつもりか。

酒税法改正と消費税軽減税率導入論議が同時に進む中、「財務官僚の陰謀か!?」との声が飛び交っている。

17年4月に消費税率が10%に引き上げられる際、財務省は「酒類を除く飲食料品」について年間4000円程度を上限に還付するシナリオを描いている。痛税感を少しでも和らげる苦肉の策とはいえ、日本酒やビールは“酷税”の対象のまま。まさに狙い撃ちだ。

一方、早ければ来年度から実施される酒税法改正では、税率の安い発泡酒と第3のビールが増税となる半面、税率が高いビールは減税となる見込み。全ての税率を一本化することで自民党税調と調整しており、そうなれば安い価格が魅力の発泡酒や第3のビールに流れていた客層が割安感の出たビールに集中するのは明らかだ。

財務官僚が根っからのビール党に恩を売ることで「消費税10%引き上げでは泣いてもらうが、これならば文句はないだろう」との魂胆が透けてくる。

そもそも発泡酒よりもさらに価格が安いということで登場したのが第3のビールだ。今では「庶民の味方」を代表する商品となっている。

ただ、改めて背景を振り返ると、一連の流れは税率を決める政府と各ビールメーカーの不毛な「いたちごっこ」ともとれる。消費者は「ビールが飲みたかった」のに高くて手が出なくなり、発泡酒を楽しむようになったものの、こちらも増税となってしまった。

そこでやむなく、さらに安いビール風味のアルコール飲料である第3のビールに落ち着いているわけだが、このような慣行は税収減につながる国政にとっても、本音はビールが飲みたい消費者にとっても、負の連鎖でしかない。