『にじさんじ』運営の決算に衝撃! ジャニーズに代わる“男性アイドル新帝国”誕生か

『にじさんじ』運営の決算に衝撃! ジャニーズに代わる“男性アイドル新帝国”誕生か

『にじさんじ』運営の決算に衝撃! ジャニーズに代わる“男性アイドル新帝国”誕生か (C)PIXTA

人気VTuberグループ『にじさんじ』を運営するANYCOLOR株式会社が、日本を代表する企業に成長しつつある。

3月15日に公開された2023年4月期第3四半期の決算資料によると、その勢いは英語圏におけるVTuber事業の大躍進に影響されているようだ。

営業利益139%アップの大成長

「2023年4月期第3四半期決算説明資料」を見てみると、今期の売上高は194億円で、前年同期比で91%増を成し遂げた模様。また営業利益は75億円で、前年同期比139%増の数字となっていた。

大幅な増収増益を受けて、ANYCOLORは23年4月期の通期業績予想についても上方修正。営業利益は77億円から92億円、純利益は53億円から63.8億円に引き上げている。

さらにANYCOLORは同日、グロース市場からプライム市場への市場区分変更を申請したことも発表した。

プライム市場とは旧東証1部にあたる区分であり、トヨタ自動車やソニーグループなど、日本を代表する大企業が名を連ねている。

申請が承認されるかはまだ分からないが、ANYCOLORは「より一層の社会的信用力や知名度の向上を図り、当社の企業価値の更なる向上を実現していくため」という狙いを説明しており、企業としてのさらなる成長を視野に入れているようだ。

まさに絶好調といった様子のANYCOLORに、SNS上でも《ANYCOLORの決算大勝利! しかももうプライムに移行するのか》《ワクワクが止まりません》《決算アゲアゲだなぁ》《なんか決算のたび100%増してる気がするw》《売上2倍、営業利益2.4倍…すごすぎる》と熱い視線が向けられている。

「世界のえにから」になる可能性

VTuberといえば、いまだにYouTubeの“投げ銭”ことスーパーチャットの収益を想像する人が多いが、少なくとも「にじさんじ」の場合には事情が異なっている。

決算資料を見ると、ライブストリーミング領域の収益は大して伸びておらず、むしろコマースやイベント領域の伸びが著しい。オリジナルグッズやデジタル商品の販売、ライブイベントなどの好調が影響したのだろう。

そして何より大きいのが、英語圏で活躍する「NIJISANJI EN」の勢いだ。コマースを中心として売上が伸びており、四半期売上高は前年同期比で768.6%も増加している。

「NIJISANJI EN」のメンバー数は現在31名まで増加しており、YouTubeの総再生時間も前年同四半期と比べて+370%となっているため、この勢いはまだまだ続きそうだ。

ただ、日本で活動するメンバーのYouTube再生時間は、前年同期比で+7%にとどまっており、国内の配信需要は頭打ちとなりつつあるのかもしれない。逆に言うと、もはや「にじさんじ」のVTuberは配信以外で収益を上げる道を確立したということだろうか。

ちなみに「にじさんじ」のオフィシャルストアやファンクラブで使用される「ANYCOLOR ID」のメンバー内訳を見ると、女性が65%、年齢層では20~29歳が57%で過半数を占めている。

つまり大部分は女性ファンということであり、男性VTuberの人気がいかに高まっているのか、よく分かるだろう。

このところイギリスBBCによって、ジャニーズ事務所の性加害問題が告発されたことが話題を呼んでおり、帝国の“落日”を予感する人も多い。

もしかすると国内の男性アイドル市場において、次の覇権を握ることになるのは、スキャンダルなきVTuberなのかもしれない…。

文=「まいじつエンタ」編集部

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