伝説的カルト映画の新作リメーク「星くず兄弟の新たな伝説」

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『星くず兄弟の新たな伝説』

配給/マジックアワー テアトル新宿ほかで全国公開中
監督/手塚眞
出演/三浦涼介、武田航平、荒川ちか、浅野忠信、谷村奈南ほか

綾小路きみまろ風に言えば、“あれから33年”である。1985年に公開された『星くず兄弟の伝説』は、手塚眞監督(漫画家・手塚治虫の息子さんで、映画、テレビ、ビデオを横断する映像作家として、このころ時代の寵児だった)が、無名のロック・シンガーの栄光と悲惨をミュージカル風にポップに描いて、カルト人気を博したものだ。その“ロック哲学”はこの初作から30年以上経ても、見事にブレていない。相変わらずノリノリであった。とはいえ、今回、リメークでも続編でもなく、コンセプトは一新しているのでよろしく。

近未来、“スターダスト・ブラザース”として一世を風靡したカン(三浦涼介)はDJとして、シンゴ(武田航平)はバー経営者として日々を過ごしていたが、一念発起し、若返り装置で若さを取り戻し、再びスターとなるため、月世界へ。そこで、謎の老人(これがなんと内田裕也!)に「スターになりたかったら“ロックの魂”を探せ」と聞かされ、それを探す旅に出る…。

 

昭和世代と平成世代の見事な融和

ノリとしては、SFと西部劇。東京近郊ですべて撮ったというアナログ感、手作り感がとても心地よい。昭和世代の心意気もビンビン感じた。その証拠に、前出の内田裕也をはじめ、ゲストスターが豪華。1960年代グループサウンズ、元スパイダースの井上順、現在は演技派女優だが、1970年代のセクシー歌手・夏木マリ(『絹の靴下』、『お手やわらかに』とか最高だった)と“昭和のカリスマ”を一堂に集め、中年世代の浅野忠信をニヒルな荒野のガンマン風で登場させて、昭和と平成をブリッジする。

そして、平成代表(生まれがギリギリ昭和なのもいるけど)は、特撮ヒーローもので名を馳せた三浦クンや武田クン。ティーン・アイドル、荒川ちかやAKB48の初期メンバーのメーン、板野友美と賑やかなメンツ。その中で個人的に最も注目したのが、映画初出演のミュージシャン、谷村奈南。彼女もギリギリ昭和生まれだが、ボクにとってゴールデン・エイジの三十路だし、ルックスも好きだが、女ガンマン風のヘソ出しルックがたまらん。あのヘソ美は“20世紀最大のグラマー”の異名を取ったラクエル・ウェルチ級(って分かるかなあ)。試写に立ち会っていた手塚監督に「ヘソ狙い?」と直接聞いてみたら「評判のヘソです」と即答してくれて、大いに納得した次第。

昭和&平成世代が、いがみ合ったり、ジェネレーション・ギャップを感じたりしちゃいけない。一緒に盛り上がろうゼ、というこの映画の精神にブラボー!

 

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