『舞いあがれ!』コロナ禍を感動の道具に? 震災スルーでコロナ採用の違和感

福原遥 

福原遥 画/彩賀ゆう (C)まいじつ 

3月31日の放送で最終回を迎えるNHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ!』。作中でも新型コロナウイルスが蔓延しはじめ、主人公・岩倉舞(福原遥)たちが影響を受けている。

29日放送回の舞台は、2020年4月。日本で緊急事態宣言が出され、舞の夫・貴司(赤楚衛二)の実家、お好み焼き『うめづ』は臨時休業していた。

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舞の母・めぐみ(永作博美)は舞に『IWAKURA』の従業員の出勤を曜日交代制にすると話し、娘の学校も休校になった。

また、1月にフランス・パリへ旅立った貴司に対し、舞は電話で「世の中がこんなことになるなんて誰にも思えへんかった」と弱音をポロリ。

パリの状況について、貴司は「まだロックダウン続いてる。外出は1日1時間で、半径1キロ以内しか移動できへんねん」と報告し、「舞ちゃん…会いたい」と思いを口にするのだった。

「『舞いあがれ!』の放送も残すところあと数回。空飛ぶクルマの開発に、貴司の作詩スランプ、母・めぐみと祖母・祥子(高畑淳子)が五島に移住するなど、すでに解決するべき問題が山積み。にも関わらず、新しくコロナ禍が描かれたことに、視聴者からは疑問の声があがっています。

貴司が帰国できず、ヒロイン夫婦が離れ離れのまま最終回を迎えることが起きていいのでしょうか。リアルの追究はほどほどに、作品として気持ちよく終わらせてほしい願うファンは多いですよ」(芸能ライター)

コロナを利用した感動展開

実際に、ネット上では《あと2回で本当に終わる? もう1週欲しい…》《コロナ禍はこれ以上描写する必要は無い。明日は「世の中がようやく落ち着きを取り戻した頃…」ってナレーションでも入れとけば良い。コロナ禍なんてナレ死で十分だよ》などと、尺を心配する声が続出。

また、「会いたい人に会えない」「やりたいことが出来ない」というコロナ禍を描く意義を理解する声があがる一方で、《朝ドラでは見たくなかったかな。感動展開に繋げていく感じがしてしまう》《最後の最後に貴司をフランスに行かせたのは、制作者がコロナ禍の「会いたいのに会えない」状況を利用したかったとしか思えない。なんか嫌》などと、未だに完全終息していないコロナ禍を利用しているように感じるという指摘があがっている。

「2018年度上半期放送の朝ドラ『半分、青い。』でも、物語終盤に、唐突に東日本大震災の描写がぶっこまれ、ヒロインの親友が死亡。災害をお涙頂戴に利用したことで大炎上しました。

実際、『舞いあがれ!』でコロナ禍を描く必要性があるかと言えば、そう思えない。そもそも、阪神淡路大震災も東日本大震災もスルーしておいて、リーマンショックやコロナ禍だけを描く都合のよさが、鼻につくと指摘されています」(同・ライター)

果たしてどのような結末を迎えるのだろうか…。

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