『どうする家康』と『鎌倉殿の13人』の決定的な違い! 神回を量産する秘訣

小栗旬 

小栗旬 画/彩賀ゆう  (C)まいじつ 

放送開始から4カ月以上、ストーリーの三分の一を終えたあたりのNHK大河ドラマ『どうする家康』。しかし一向に盛り上がっていく気配がない。1年もあるのだから、〝まだまだ助走期間…〟と悠長なことを言っていていいのだろうか。

前期の大ヒット大河ドラマ『鎌倉殿の13人』と比較してみよう。

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「『鎌倉殿の13人』の面白さが爆発した、通称〝神回〟は第15話『足固めの儀式』。ここで、今まで頼もしくもアリながら、同時にムードメーカー的な存在であった上総広常(佐藤浩市)が命を落としました。

しかも、広常が心から慕っていた源頼朝(大泉洋)に騙されて殺害されるという、とんでもない展開。この回まで、飄々としたお調子者おじさん的なキャラだった頼朝が本性を現し、一気に展開がダークへ。ここから〝大河ドラマ史上・最低最悪の頼朝〟と言われる頼朝が作り上げられていったのです」(芸能記者)

無名キャラの死も“神回”に変える三谷幸喜

しかし『どうする家康』はというと、第15話までに印象的な展開はナシ。もちろん、神回なんて呼ばれる話もナシ。一応、武将が命を落とす展開はあったが…。

「ただ死ねば神回になるというわけではありません。『鎌倉殿』の広常は、15話までに色々積み重ねてきたキャラがあったので、彼の死が神回と呼ばれるまで称賛され、視聴者を悲しませたのです。上総広常という、歴史オタクでもなければ、一度も聞いたこともないようなキャラを、ここまで魅力的に描けたのは、ひとえに脚本家・三谷幸喜の手腕と言えるでしょう」(同・記者)

『鎌倉殿』と『どうする家康』の決定的な違いは、この〝積み重ね〟だ。

「例えば『どうする家康』で今誰かが死んだとして、ショックを受けたり、感動するようなキャラはいるでしょうか? いませんよね。キャラが1人も魅力的に描かれていないからです。そのため、〝キャラ人気〟も全く出ていない。SNS恒例の二次創作などは全く盛り上がっていないのです。

対して、『鎌倉殿』は15話時点で、メインキャラの北条義時、北条政子、頼朝がキャラ立ちしまくっていたのはもちろん、そのほかに広常、八重、三浦義村、善児、源義経、後白河法皇、木曾義仲、梶原景時、源義高などが大人気(大憎まれ)キャラへと成長していました。

前半にこの積み重ねがあったことで、中盤から始まった怒涛の〝討ち死にラッシュ〟が大盛り上がりして、『鎌倉殿』は大河ドラマでも屈指の大名作となったのです。特に15、16、17話は、3週連続の神回として伝説に。視聴者を〝ロス〟祭りへといざないました」(同)

こう比べると、『どうする家康』がすでに大失敗していることは明白。まあ、『鎌倉殿』と比べてしまうと、どんな大河も見劣りしてしまうのだろうが…。

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