『推しの子』『鬼滅の刃』覇権争いの結果は…人知れず大コケするジャンプアニメも

『推しの子』『鬼滅の刃』覇権争いの結果は…人知れず大コケするジャンプアニメも

『推しの子』『鬼滅の刃』覇権争いの結果は…人知れず大コケするジャンプアニメも (C)PIXTA

2023年春アニメの放送が4月からスタート。今期は『週刊少年ジャンプ』や『ジャンプ+』の作品が一斉に放送され、覇権争いを繰り広げている。

とくに最大のライバルと目されているのが、『「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』と『【推しの子】』だ。

「推しの子」に押される「鬼滅」

「『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編」は、前章『「鬼滅の刃」遊郭編』から1年ぶりとなる新章。主人公の炭治郎をはじめとした鬼殺隊が、刀鍛冶たちが暮らす里で、上弦の鬼と戦うストーリーとなっている。

先日劇場公開された『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』も興行収入35億円超えを叩き出したモンスタータイトルだが、なぜかTVアニメの話題性は今ひとつ。むしろSNS上で盛り上がっているのは、「推しの子」の方だ。

「推しの子」の原作は、『週刊ヤングジャンプ』と「ジャンプ+」で連載されている赤坂アカ×横槍メンゴの人気漫画。第1話を異例の“90分拡大”で放送し、原作第1巻の内容を丸ごと消化することで、大きな話題を呼んだ。

第1話放送時には、ツイッターの世界トレンド1位を獲得。また、タレント・中川翔子や女優の広瀬アリス、ユーチューバーのヒカキンなど、有名人たちもこぞって絶賛している。

その勢いを象徴するのが、YOASOBIが担当したOP主題歌『アイドル』だろう。YouTube上にアップされたMVは、驚異的なスピードで再生回数を伸ばしており、4月27日時点で4,500万再生を突破している。

同じくMVの再生回数で比較すると、「刀鍛冶の里編」OP主題歌であるMAN WITH A MISSION×miletの『絆ノ奇跡』は、約650万再生。EDの『コイコガレ』も160万再生ほどなので、「推しの子」には大差をつけられている。

存在感が消えつつある「ジャンプ」アニメ

とはいえ、「刀鍛冶の里編」は23時台の放送でありながら、第1回の平均世帯視聴率が8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を記録していた。その後は7.6%、6.4%と下がってはいるものの、他のTVアニメと比べると圧倒的な数字ではある。

そう考えると、本当に悲惨なのはこの2作品以外の「ジャンプ」系アニメだろう。今期は天下の「週刊少年ジャンプ」作品である『マッシュル-MASHLE-』も放送されているが、まったく話題になっていない。

MVの再生回数で比べてみると、人気アーティスト・岡崎体育によるOP主題歌『Knock Out』は公開2週間で60万回を突破するペース。アニプレックス公式チャンネルで投稿されたノンクレジットOPムービーは、35万回弱にとどまっている。「ジャンプ」本誌のアニメ化作品としては、物足りない数字だろう。

また、「ジャンプ+」の最終兵器と呼ばれた『地獄楽』も、クオリティは高いものの、覇権クラスの人気には至っていない。

同アニメの制作会社は『呪術廻戦』や『チェンソーマン』と同じMAPPAであり、OP主題歌にmillennium parade×椎名林檎の新曲『W○RK』が使用されるなど、かなり気合の入ったアニメ化と言える。

しかしMVの再生回数は約423万、ノンクレジットオープニングは約303万。十分高い数字ではあるが、やはり「刀鍛冶の里編」と「推しの子」には及んでいない。

まだまだアニメの放送は続くので、ここから評価を逆転させる作品が出てくることに期待したい。

文=大上賢一

【画像】

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