映画『スーパーマリオ』大ヒットで海外に恥をさらすオタクたち…「ディズニーなんていらない」

映画『スーパーマリオ』大ヒットで海外に恥をさらすオタクたち…「ディズニーなんていらない」

映画『スーパーマリオ』大ヒットで海外に恥をさらすオタクたち…「ディズニーなんていらない」 (C)PIXTA

任天堂の国民的大ヒットゲーム『スーパーマリオ』シリーズを原作とした映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が、世界的な大ヒットを記録中だ。日本でも4月28日から上映が始まったが、それをきっかけとして“ディズニー叩き”に火がついている。

ポリコレ憎しでディズニー叩きが加速

同作は、マリオやピーチ姫、クッパやドンキーコングといったお馴染みのキャラクターたちが活躍するCGアニメ映画。

ブルックリンで配管工として働く双子のマリオとルイージが、ある日ひょんなことから異世界へと飛ばされることに。そこでルイージはクッパに囚われてしまい、マリオはキノコ王国のピーチ姫と協力して冒険の旅に出発する…といった物語だ。

海外では公開直後から大好評を博しているようで、5月1日の時点で全世界興行収入は1,400億円を突破している。

また、アニメ映画のオープニング記録としては、2019年に公開されたディズニー映画『アナと雪の女王2』の初動興行収入を上回り、歴代1位を更新した。

そして日本でも客足は伸びており、公開から10日間で累計興収65億円を突破したことが報じられている。

もはや「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の興行収入は、アニメ映画のトップランナーであるディズニー作品と同レベルに到達しているのだ。

ところでこうした結果を受けて、日本では意外な反応が…。SNS上を見てみると、《ディズニーがポリコレ配慮してる間にスーパーマリオが快進撃してんのな》《ポリコレに汚染されたディズニーなんてもういらないんだ…》《ポリコレは害悪でしかないと世に知らしめた》といった声が相次いでいる。

どうやら彼らのなかでは、最近のディズニー映画はポリティカルコレクトネスに配慮したことで没落し、マリオ映画は“アンチポリコレ”な作風によって大ヒットしたことになっているらしい。

実際は多様性に配慮している「マリオ」映画

しかし「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、そもそも“ポリコレ”と無縁な作品ではない。

同作は『ミニオンズ』で知られるイルミネーションと任天堂による共同製作で、監督・脚本も日本人スタッフではない。「マリオ」を題材としているものの、現在のハリウッドの価値観に合わせた映画となっている。

なかでも典型的なのが、ピーチ姫の扱いだろう。同作のピーチ姫は無力に誘拐され、マリオの救出を待つだけのヒロインではなく、その役目はルイージに譲られているのだ。

さらにピーチ姫はキノコ王国を実施的に王として統治し、クッパとの戦いにも武器をもって参戦する勇ましい女性として描かれている。

また、仮想敵とされているディズニー作品についても、ポリコレ要素によって失敗するようになったわけではない。

ディズニーで最も売れた映画『アナと雪の女王』シリーズは、女性たちのシスターフッドや民族的マイノリティなどを扱いつつ、商業的に大成功していた。

そうした矛盾に気づく人も多いようで、ネット上では《ピーチ姫の振る舞い方がまんまディズニープリンセスなのに、ポリコレ要素がないってどういうこと?》《マリオ映画も制作したのはハリウッドなのに…デマや思い込みに踊らされてる》といった呆れ声も。

ありもしない幻想に盛り上がる層にとっては残念かもしれないが、映画業界で“アンチポリコレ”が主流になることはないだろう。

文=「まいじつエンタ」編集部

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