ドラッグストアの棚から「殺虫剤」が消える!?

poosan / PIXTA(ピクスタ)

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スイス政府が奇妙な動物物保護法改正を3月1日から施行する。“ロブスターを生きたまま熱湯に入れて料理してはならない”という法律だ。

その理由は、ロブスターは複雑な神経系を持ち、痛がっているからだという。そのためスイス人は、料理前に電気ショックで神経を麻痺させるか、包丁で絶命させてからでなければ、調理できなくなった。

「科学者のなかには『ロブスターが苦痛を感じていると証明できない』という理由から、ロブスターへのエンパシー(感情移入)に批判的な声があるのも事実です。スイスの法律に従えば、日本人のドジョウや白魚の“踊り食い”など死刑に相当するでしょう(笑)」(食文化ライター)

 

「殺虫剤」から「虫ケア用品」に

一方で、日本の日用品製造メーカー最大手のアース製薬は『殺虫剤って呼ばないで』というキャンペーンを始めた。

「同社が昨年8月に行った全国の20~60代の男女500名への調査では、殺虫剤という呼び名に『人体に有害なイメージを持つ』人が34%、『使うのが怖い』と答えた人が17%いたといいます。小売店からも『“殺”という字を店内に掲げたくない』という声が上がっていました。そこで小売店に配る販促物のデザインから、従来の『殺虫剤』という言葉を消し、代わりに『虫ケア用品』を謳うというのです。“虫からケアする(守る)”という意味で、売り場に掲げるポップなどを3月ごろを目安に変えるようです」(化学業界紙記者)

すでにアース製薬のホームページは新呼称に変更しており、小売店や同業他社にも賛同を呼び掛けている。

「ハエや蚊、ゴキブリ、シロアリなどの害虫駆除剤の市場規模は約820億円(2017年)と、頭打ちの状態が続いています。その一方で、蚊が媒介するデング熱などの流行で、害虫駆除への関心は高まっている。そこで業界では、マイナスイメージの払拭で市場の拡大を狙っているのです」(日本家庭用殺虫剤工業会)

スイスはロブスターに過剰な愛を注ぐが、日本は消費者感情をいたわりつつ売り上げを伸ばすことを考えている。

 

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