灰原哀“過激シーン”の影響か…映画『名探偵コナン』100億円ヒットの裏で古参ファン離脱

灰原哀“過激シーン”の影響か…映画『名探偵コナン』100億円ヒットの裏で古参ファン離脱

灰原哀“過激シーン”の影響か…映画『名探偵コナン』100億円ヒットの裏で古参ファン離脱 (C)PIXTA

ここ数年『名探偵コナン』の快進撃が止まらない。先月公開された劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は、シリーズ史上初の興行収入100億円を突破し、“100億の女”灰原哀を爆誕させた。

ところがその影で、昔から同作を応援してきた原作ファンとの信頼関係に、ヒビが入り始めているという。

令和に完成した“コナン帝国”

「名探偵コナン」の本丸といえば、原作が連載されている『週刊少年サンデー』だが、そこでは劇場版と密接に結びついたタイアップ体制が築かれている。

「サンデー」の編集長を務める大嶋一範氏は、もともと「名探偵コナン」の担当編集だった経歴の持ち主。劇場版には2015年の『名探偵コナン 業火の向日葵』から関わっており、さまざまな企業とのタイアップを成功させてきた。

そうした背景もあり、現在の「サンデー」は増刊号『サンデーS』や電子サービスの『サンデーうぇぶり』まで含めて、「名探偵コナン」の特典を積極的に打ち出している。

もちろん劇場版最新作のタイミングも逃さず、「サンデー」26号~29号では原作者・青山剛昌による描き下ろし複製原画を大サービス中だ。

「問題は、今作『黒鉄の魚影』が異色の内容だったことにあります。最近の劇場版で安室透や赤井秀一、怪盗キッドなどの人気キャラクターを使い果たしたため、最終兵器として灰原哀にスポットを当てたのですが、その扱いは完全にラブストーリーのヒロイン。

コナンの本命として毛利蘭が存在するにもかかわらず、禁じ手のキスシーンまで用意する力の入れようです。その成果もあり、ついに悲願だった100億円を突破できましたが、『魂を売った』と反発するファンも少なくありません」(アニメ・漫画ライター)

劇薬に手を出してしまった「サンデー」

映画だけなら観に行かなければ済む話だが、「サンデー」本誌では徹底的に「黒鉄の魚影」を特集中だ。特典の複製原画も、露骨に灰原とコナンのカップリングを匂わせる内容になっている。

原作ファンには、新一と蘭の一途な関係を求める人も多いため、《新一の相手は蘭が公式》《コ哀を押されれば押されるほどコナンの魅力が減る》《長年買い支えてくれてるファンを足蹴にしてどうすんの》《映画の興収だけを頼りに存続していくつもり?》といった不満が膨らんでいるようだ。

「とはいえ、『サンデー』の部数減は繊細なファンに配慮していられないほど深刻です。紙版の平均印刷部数は、ここ10年で約3分の1に落ちている状況。電子版への移行が進んでいるといっても、『ジャンプ』よりも激しい右肩下がりです。

今後、部数を確保するためにますます劇場版『名探偵コナン』への依存度が高くなる可能性は高いでしょう。そして劇場版では数字のために、さらに強引な展開に手を出すことになるかもしれません」(同)

灰原のヒロイン化という手段は、まさに劇薬。原作ファンとの溝がこれ以上深まらないことを願う。

文=「まいじつエンタ」編集部

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