高橋一生　（C）まいじつ　

5月26日より公開された実写映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の大ヒットを受けて、なぜ同作が成功して、2017年の実写『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』はコケたのかを考察する人が多くいるようだ。

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『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は、『ジョジョの奇妙な冒険』から生まれたスピンオフ「岸辺露伴は動かない」シリーズの一つ。2020年末に高橋一生を主演に迎えてNHKで実写ドラマ化され、大きな反響を呼ぶと、21年末、22年末にも続編が放送された。

今回は、同じ制作チームが長編映画を制作。公開初週の金土日で動員22万1000人、興行収入3億1500万円を記録し、週末映画ランキングで初登場3位となった。

「『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』はこのままいくと、12億～20億円ほどの興行収入になるでしょう。一方、本編を描いた映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の初動興収は約1.6億円。最終興収も9.2億円と大爆死。制作費がおそらく、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の何倍もであることを考えると、両作にはとんでもない差があることになります」（週刊誌記者）

コスプレ映画になった2017年の『ジョジョ』

なぜスピンオフの『岸辺露伴』の方が成功したのか。

「『ダイヤモンドは砕けない』はアクションシーンテンコ盛りでCG使いまくりな、典型的な少年漫画の実写作品。派手なキャラクタービジュアルを漫画そのままで役者が演じたことで、〝コスプレ映画〟とも揶揄されました。

一方でドラマ『岸辺露伴』は、ビジュアル的な原作再現やCG演出は抑え、絵面が現実世界に馴染むような作品です。スタンド描写も排除していますが、これが成功でしたね。また、そもそも原作に派手なアクションなどなく、サスペンスホラー的な作風なので、漫画ファン以外も楽しめる。『世にも奇妙な物語』の亜種みたいな感じで、幅広い層にウケることになりました」（同・記者）

キャスティングに関しても、『岸辺露伴』の圧勝だったようだ。

「岸辺露伴を高橋が演じると発表された当時、漫画ファンから『顔が違いすぎる！』『全然露伴じゃない！』とボロクソに叩かれました。

しかし、高橋の露伴の演技を見ると手のひら返し。原作の独特な台詞回しなどを違和感なくこなしていると絶賛されています。結局実写作品は、見た目なんかよりも、漫画をうまく現実に落とし込む役者の演技が重要なのでしょう」（同）

大ヒットを記念して、6月2日から8日まで劇場では原作者・荒木飛呂彦による新規描き下ろしイラストカードが配布される。さらに興行収入が伸びそうだ。