「はれのひ」社長に刑事罰が課せられない理由

SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)

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成人式のために購入した高額な振り袖が行方不明になるなど被害が社会問題化している『はれのひ』(横浜市中区)の篠崎洋一郎社長が、自己破産を検討していることが分かった。これに戦々恐々なのが、同社のメインバンクである横浜銀行や西日本シティ銀行だ。

「はれのひは1年半前から6億円を超える債務超過に陥っており、金融負債は4億円に達しています。直近4カ月は従業員給与も支払っていませんでした。今回の営業停止は“経営破綻”に起因していることは明白です。しかし横浜銀行は、実際には赤字に転落していた2016年9月期に、順調を装った売上高を信じて追加融資に応じており、こうした事実上の“粉飾”に西日本シティ銀行もまんまと騙されていたようです。被害者と同様、取引銀行も全額損失となる可能性が高いでしょう」(金融業関係者)

そしてこの篠崎社長のことを刑事事件として立件できるかは怪しいという。

「成人式で契約通りに晴れ着の提供や着付けのサービスを行えないことを認識した上で、販売・レンタル契約を行い代金受領を行ったのであれば詐欺罪が成立します。しかし、実質倒産状態であるにもかかわらず、ツアー募集を継続した『てるみくらぶ』の社長でも、逮捕された容疑は『金融機関への虚偽の決算書提出による詐欺』であり『取り込み詐欺』ではありませんでした。こうしてみると篠崎社長についても、詐欺や横領で逮捕状を取るのは容易ではありません」(法曹関係者)

 

「30万円以下の罰金」が限界か

むしろ篠崎社長に対してまず適用すべきは『賃金不払の罪』だという。

「給与不払の状態のまま長期間にわたって事業を継続していたわけですから、適用されるべき罰則としては労働法上の『賃金不払の罪』が適当でしょう。労働基準法24条には、《賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない》と定められています。使用者が所定の支払期日に賃金を支払わなければ、120条1号の罰則が適用され『30万円以下の罰金』に処せられる程度です」(同・関係者)

“全国100店舗展開”や“上場が視野に入った”と景気のいい話を吹聴していた篠崎社長。しばらくしたら素知らぬ顔で別の事業を立ち上げているかもしれない。

 

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