『日曜の夜ぐらいは…』に不幸フラグ? 華麗にタイトル回収も“モヤモヤ”が残るワケ

生見愛瑠 

生見愛瑠  (C)まいじつ 

6月4日放送のドラマ『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系)第6話で、思わぬ〝タイトル回収〟があり、ネット上で大きな話題になった。

主要人物の夢も着々と実現に向かい、一見ハッピーエンドまっしぐらの展開なのだが、それでも〝不安要素〟を払拭できない視聴者が多いようだ。

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同ドラマは、奇跡のように巡り合った女性3人が、苦悩や葛藤を抱きながらも人間らしく歩みを進める物語。ドラマ序盤では、3人で一緒に購入した宝くじが当選し、3000万円を手に入れる。

当初は3等分して〝幸せになるため〟に使っていたのだが、次第に3人は一緒にカフェを開くという夢を見るように。迎えた第6話では、カフェのコンサルタント料を振り込み、いよいよカフェ開業が現実味を帯びてきた。

タイトル回収があったのは、ラスト10分でのこと。カフェ開業を夢見る一同が、3人を結びつけたラジオ番組『エレキコミックのラジオ君』を聞き始めたきっかけを語り合う中、樋口若葉(生見愛瑠)は日曜の夕方に同ラジオに出会ったことを告白。とにかく笑うと決めて、これまでラジオに支えられながら生きてきたという。

さらに、若葉の祖母・富士子(宮本信子)は、若葉が学校の宿題で《日曜の夜に死にたくならない人は幸せな人だと思う》という内容の詩を書いたことを吐露。

若葉の〝日曜の夜ぐらいは〟笑って過ごそうという憂鬱でありながらも前向きな心情表現によって、ドラマタイトルが見事に回収されたのだ。

3人はカフェをオープンできるのか!?

自然な流れでタイトル回収まで漕ぎつけた同ドラマに、視聴者からは《タイトル回収された…。日曜の夜に死にたくならない人は幸せな人だと思うって刺さりまくるなあ》《日曜の夜ぐらいは、ちょっと高いアイスと長い名前のドリンクを飲んでみてもいいんじゃない?ってことか!》《エレキのラジオが日曜夕方の放送だったんだ。こんな素敵な形でタイトル回収されるなんて思ってなかった》といった絶賛のコメントが続出していた。

「ハートフルな展開へと歩を進めている同ドラマですが、3人にはこれまで幸せな人生を歩んでこられなかった原因があります。

車椅子の母と暮らす岸田サチ(清野菜名)はヤングケアラーとして描かれており、宝くじが当選した直後に離婚した父・中野博嗣(尾美としのり)からお金をたかられています。

若葉はすでに実の母親・まどか(矢田亜希子)に金を奪われており、タクシー運転手の野田翔子(岸井ゆきの)には家族に縁を切られた過去が…。

不安を煽るような描写は第4話以降、極端に少なくなったものの、裏ではサチの父がサチの務めるバイト先の店長と交流を深めていたり、次回予告で若葉の母が現れたりと、不穏な動きも見られます。

果たして、無事にカフェを開業できるのか、開業できたとしても何か良くないことが起こるのではないかと、視聴者は気が気でないようです」(ドラマライター)

同ドラマを手がける脚本家・岡田惠和氏の作風は、大きく分けてのほほんとした〝ファンタジードラマ〟か〝社会派ドラマ〟のどちらかになることが多い。

「日曜の夜ぐらいは…」は最終的にどちらに落ち着くのか、それともファンタジーと社会派ドラマのハイブリッドなのか。今後も見逃せない展開になりそうだ。

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