平昌五輪直前に羽生結弦を襲った「ふたつの問題」

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平昌五輪で一番の注目は、連覇が懸かる男子フィギュアスケートの羽生結弦だろう。12月の全日本選手権を怪我のために欠場し、その後も大会に出ることができず“ぶっつけ本番”で金メダル獲得を目指すことになった。

「フィギュアスケートの日本代表は個人種目の前に団体戦を戦います。その団体戦に羽生が出るのか否か、日本チームはギリギリまで隠してきました。この団体戦の回避は、羽生側の要望だったとの情報も交錯しています」(現地入りした取材陣のひとり)

フィギュアスケートの国別団体対抗戦は、前回ソチ五輪から設けられた。ソチ大会で日本は5位だったが、今回もメダル射程圏内にあるので、羽生を団体戦も出場すると思われていた。

「故障した右足が万全ではないとの見方もないわけではありません。でも団体戦を回避したのは、回復具合ではなく、羽生が個人競技に向けて集中力を高めているからだと聞いています」(同・取材陣)

 

羽生に降りかかる「マスコミのやっかみ」と「コーチ不在」

故障して以来、羽生は取材を完全にシャットアウトしている。ところが、平昌五輪直前に発売された主婦向けの雑誌に登場したため、ファンを驚かせた。

「本人がインタビューを受けたわけではありませんが、羽生特集は13ページにもわたっており、彼のスタッフの協力がなければここまではできないでしょう」(同・取材陣)

この雑誌では、羽生の団体戦の辞退をまるで予見していたように、『さらなる高みを目指して』と題した撮りおろしの写真と独占記事が掲載されていた。

「各メディアが取材拒否を容認してきたのは、羽生の気持ちを汲んでのこと。しかし、抜き打ちの独占報道が出たため、2連覇の偉業が達成されたとしても、素直に喜べない関係者も出てきそうです」(同・取材陣)

コーチのブライアン・オーサー氏が羽生に代わって各メディアの取材に応じている。しかし、そのオーサー氏は今回、韓国選手団の一員として大会に参加することが明らかになった。オーサー氏は羽生のほかにも韓国代表の車俊煥(チャ・ジュンファン)らも指導している。今大会には羽生を含め、指導する5カ国5選手が出場する。その5カ国のなかから、オーサー氏自身が韓国選手団を選択したという。

羽生が心配ないという判断なのか、それともほかの理由があるのか、いずれにせよ羽生よりも優先することがあるからこそ、オーサー氏は韓国選手団の一員となったのだろう。羽生は連覇を達成できるだろうか。

 

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