二階堂ふみのヌードで話題の青春映画「リバーズ・エッジ」

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『リバーズ・エッジ』

配給/キノフィルムズ TOHOシネマズ新宿ほかにて2月16日から全国公開中
監督/行定勲
出演/二階堂ふみ、吉沢亮、上杉柊平、土居志央梨。森川葵ほか

主演映画は多数だし、現在放映中のNHK大河ドラマ『西郷どん』にも出演しており、人気、実力とも若手女優ナンバーワンと目される二階堂ふみのフルヌード、濡れ場シーンが話題の作品だが、映画自体も、欲望と不安の中で生きている若者たちの痛々しい青春を描いた傑作として評価は高い。

私も、その通り! と言いたいクチで、行定勲監督作品では『GO!』(2001年)に次ぐ面白さ。昨年の彼の『ナラタージュ』よりも、若い魂の悲痛さがヒシヒシと伝わってきた。まあ、すでに23歳の二階堂が高校生役というのはそろそろ無理があるのではないか、とは思うが。原作は沢尻エリカのヌードが騒然とさせた映画『ヘルタースケルター』(2012年)の岡崎京子のコミックス。一筋縄ではいかないのは明らかだ。

1990年代、バブル崩壊後とおぼしき時代を背景に、東京周辺らしき川沿いの高校に通う団地住まいのハルナが二階堂の役どころ。同級生の観音崎(上杉柊平)という彼氏もいるが、関係は気だるく、彼女はセックスのときでも醒めている。この濡れ場シーンが話題騒然のソレで、ラブホで行為に及ぶが、男の荒い息とは裏腹に彼女はいわゆるマグロ状態。しかしバストは惜し気もなくさらし、行為後、テレビの近くに移動するシーンでも隠そうともしないのがあっぱれだ。

 

若者特有の感情が胸に突き刺さる

昨年の『海辺の生と死』の満島ひかりのフルヌードといい、悪しき“人気女優ちっとも脱がない症候群”の風潮から脱しつつあるのは非常にいいことだと思う。今回だって二階堂の“脱ぎ”があるのとないのとでは映画のインパクトが全然違う。男性に受けるのはもちろんのことだが、女性層からも“カッコいい”と思わせる堂々たるもの。何、恥じることのない彼女の強い決意、覚悟を感じて、心動かされた。気の早い話だが、早くも本年度主演女優賞候補のひとりに躍り出た、と予測したいほど。女優で言えば、脇役の同じく乾いたセックスをする土居志央梨も脱ぎっぷりもよく、安藤サクラのような個性を感じる。

二階堂が小柄な体をいっぱいに使って表現した若者特有の焦燥感、敗北感、虚無感が胸に突き刺さる。執拗なイジメに遭い、河原に隠された死体を心の拠りどころにしているゲイ少年の山田(吉沢亮)らとの関わりから物語は急展開を見せ始める。

昨今“キラキラ青春映画”が思いっきり流行ったが、この映画を見ると、今年はもっと“痛い”、そしてシビアな青春映画の台頭を予感させる。時代設定はスマホもメールもない20年ぐらい前の話だが、今の時代とひたすらリンクしている。題名通り“エッジ”の効いた注目作となった。

 

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