全容が明かされない「プロ野球くじ」に困惑する現場首脳陣

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2月21日に日本野球機構(NPB)が12球団代表者を沖縄に招集した。その目的は『野球くじ』の導入に関する正式な話し合いをするためである。

「現時点で強い反対意見は出ていません。2019年のくじ導入を目指しており、ファンの賛同があれば決まるでしょう」(関係者)

そもそも『toto』や『BIG』などのスポーツ振興くじをプロ野球公式戦にも拡大する意見が出たのは、2015年4月のことだった。超党派によるスポーツ議員連盟が提唱したが、同年秋に一部の選手が逮捕される野球賭博事件が起こり、立ち消えになっていた。しかし昨秋以降、再び政府側の要請を受け、NPBは調査を進めていたという。

「勝敗を予想するのではなく、BIGのような抽選券を購入するスタイルになりそうです」(同・関係者)

その抽選型というのが、12球団からの反対意見を封じ込めたようだ。

「プロ野球は1シーズンで143試合を戦う半年近い長丁場です。オープン戦やシーズンの序盤では、新加入選手のデータを取るために、故意に相手打者の得意なコースに投げることもあります。それを八百長にように言われたら、データ重視の今日のプロ野球界は根底から崩壊してしまいます」(ベテラン記者)

 

選手登録のタイミングは?雨天中止は?

今後、各球団もNPB側から出た報告書をもとに調査を進めていくが、肝心の現場首脳陣からは「正直、よく分からない」という“悲鳴”に近いコメントも出ている。

「話し合いがくじの導入を前提としたものなら、予告先発制の変更といった話に発展するかもしれません。投手だけでなくスタメン選手全員の完全公開が求められるかもしれないし、出場登録選手の締め切りが前倒しになるといったことも考えられます。雨天中止なら、払い戻しも発生するでしょう。中止か否かの決定か遅れれば、翌日以降の投手の調整も難しくなってきます。正直、困惑することの方が多そうです」(在京球団コーチ)

プロ野球界には過去に、社会問題にも発展した『黒い霧事件』(1969年)があった。今回、どういう経緯で政府がNPBにくじ導入を勧めてきたのか、導入後のルール改定など詳細は現場に何も知らされていない。導入されたら、助成金が年30億円くらい出るらしいが、いまのところその使い道は明かされていない。

こういった密室政治こそが“黒い霧”なのではないだろうか。

 

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