知られざる日本の「エレキギター」コピーモデル黒歴史

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先ごろ、『レスポール』などの名器で知られるアメリカのギター・メーカー『ギブソン』の経営が悪化している、というニュースがインターネットから広まり、世界中のギターファンのあいだでちょっとした騒動となった。

しかし、高価な本物のギブソンを使ったことがある人は、果たして何人いるだろう。ほとんどの人が日本製のコピーモデルを使っているのではないだろうか。

ここで日本のエレキギターのコピーモデルの歴史を振り返ってみよう。

神田商会が『グレコ』のブランドで1966年ごろにレスポールのコピーモデルを発売。1972年にはフェルナンデスがフェンダーのストラトキャスターモデルを発売した。同時期、他社からも同様のコピーモデルが多数発売された。

ギブソン・コピーロゴコレクョン
一番上が本家で、あとは全てパチのロゴ。遠くから見れば判別がつかない?

この時代、ギブソン・フェンダーのギターは非常に高価で、学生の小遣いではとても買えるものではなく、日本製のコピーモデルを選択せざるを得なかった。ロゴのイメージで“ギブソン=グレコ、フェンダー=フェルナンデス”の図式ができていたものだ。

 

著作権侵害で裁判になったが…

当時、誰もがこれらのコピーモデルはギブソン、フェンダーの了解を得て製造と販売がされているのだと思っていたのではないか。ロゴをじっくり観察しなければ、見分けがつかないほど精巧にできていたのだから当然だろう。

しかし、そうではなかった。1993年、ギブソン社はフェルナンデス(なんでグレコではないの?)を著作権侵害で訴えたのである。何を今ごろになって…という感じは否めないが、著作権意識の高まりのなかで、とりあえず今後の布石のために訴えておこう、といったニュアンスだったのかもしれない。

裁判の結果はフェルナンデス側の勝訴。ギブソンが長年にわたってコピーモデルを容認してきたこと、コピー商品があまりに氾濫したため、結局は本家の名声と価値を高めることになった、というのが主な理由であった。

もっともフェルナンデスのギターがいいかげんなものだったら負けていたのかもしれない。そのコピーの精巧さ故に、本家のイメージを壊さなかったことが勝訴の一因なのは間違いないだろう。

一方のフェンダー社は、いち早く日本に販売代理店を設け対応。フェルナンデスはフェンダーそっくりのロゴを一新せざるを得なかった。だが、フェンダージャパンのギターを製造していたのは、何と当時のグレコギターを製造していた富士弦楽器製造だったという。つまり、フェンダーも日本のコピー技術を認めていたということになる。

1970年代後半にギター専門誌に掲載されたフェンダー代理店(上)とグレコの広告、それぞれに言い分があるようだ

ギブソン社には倒産してほしくないが、日本の優秀な製造会社が商標を買い取って、その名と技術を存続する、という手もあるのではないだろうか。

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