中国メディア「月は人口衛星」その6つの根拠

(C)Valerie Beasley / Shutterstock

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中国の反体制メディア『大紀元』(2月22日付)に『月は人工衛星か?』という記事が掲載された。そのなかで6点の根拠が挙げられている。

  1. 地球にいつも同じ面を向けている
  2. 太陽とほぼ同じ大きさに見える
  3. 地球の衛星としては大き過ぎる
  4. 月の年齢は地球よりも古い
  5. 月の中心部は空洞
  6. 月はチタンの外殻に包まれている

実は火星の衛星であるフォボスとダイモスや木星のガリレオ、土星のタイタンなども月と同じく惑星に対して常に同じ面を向けており、月だけが特別というわけではない。

そして2で挙げられている大きさについては、ジャイアント・インパクト説によると、昔は地球と月の距離はもっと近く、現在でも年間約3センチメートルずつ離れている。現在、太陽と月の見掛け上の大きさがほぼ同じなのはたまたまで、月ができたばかりの時代にはもっと地球に近く、いまの500倍くらいの大きさで見えていたと考えられている。

天文学によれば、太陽と地球との距離は、月と地球との距離の395倍であり、そして太陽の直径は、ちょうど月の直径の395倍だ。そのため地球から月を見ると太陽と同じ大きさに見えるのである。

3についてはどうだろう。月の直径は地球の直径の27%。太陽系の9大惑星の中で、木星や土星のようなかなり大きな惑星の周囲を回る衛星の直径は、その惑星に比べて非常に小さく数百分の1にすぎない。それに比べると太陽系の中で特殊な存在ではあるが、人工衛星説の根拠にはならない。

 

過去にソ連で発表された仮説に類似

次に4については、《アポロ宇宙船が月の表面から採取した岩石標本を分析した結果、ほとんどの岩石の年齢は、地球上の最も古い岩石よりもさらに古い43億年から46億年もあるということが分かった》ということが根拠になっている。しかし、地球は月とは違い、大気や海が形成され火山活動なども活発だ。だから風化浸食やその他もろもろの作用によって古い岩石が残りにくくなる。結果的に岩石が古い=地球より月は古い=地球外からやってきた人工衛星だ、ということにはならない。

5の空洞説は、レーダー反射等の分析により一部で確認されているものの、その空洞のなかに映画『スター・ウォーズ』で登場する架空の宇宙要塞『デス・スター』があるかどうかは不明だ。

最後の項目6について、チタンの融点は1668℃、沸点は3287℃とされ、耐熱性が比較的低いので、例えばジェットエンジンの超高温部分などには使用されない。つまり人工衛星としては利用しにくい物質ということになる。

旧ソ連の科学者はかつて「月は表面が改装された宇宙船である」という大胆な仮説を提出したことがある。どうやら大紀元の記事は、この説の焼き直しのようだ。

 

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