2位でも赤字!? カーリング界の「シビアすぎる」マネー事情

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平昌五輪で銅メダルを獲得して一躍、人気者となったカーリング女子の『LS北見』。だが、彼女たちをめぐるマネー事情は厳しいようだ。

日本オリンピック委員会(JOC)がメダリストに支払う報奨金は金メダルの場合が500万円、銀メダルは200万円、銅メダルが100万円。団体競技の場合はひとりにつき、前述の金額が支給されるため、LS北見のメンバーはそれぞれ100万円の報奨金を手にする。だが、日本カーリング協会からの報奨金はない。あとはスポンサーの全国農業協同組合連合会(JA全農)が贈呈する米100俵のみだ。

「金メダルをふたつ獲得したスピードスケートの高木菜那は、JOCから1000万円と、日本スケート連盟からも同額の報奨金がもらえるため合計2000万円。さらにスポンサーの親会社である日本電産は4000万円を出しています。カーリング女子とは雲泥の差です」(スポーツライター)

日本カーリング協会にはそもそも報奨金規定がなく、その理由は「お金がないのでない袖は振れない」ためだという。

 

クラウドファンディングで集まったのは4万円ほど

「カーリングは2006年のトリノ五輪で『チーム青森』がクローズアップされたことで認知されはじめましたが、まだまだマイナー競技と言わざるを得ません。今回、平昌五輪に出たLS北見のスポンサー18社のうち、3分の2は地元の自動車販売会社やケーキ屋などで、選手も会社員です。ちなみに2017年に日本カーリング協会が強化費をクラウドファンディングした際、集まったお金は目標額300万円に対し3万9300円でした」(同・ライター)

大会の優勝賞金などもほとんど期待できないのだという。

「カーリングチームの主な収入源はワールドツアーの賞金ですが、優勝賞金は100万円。チームの5人で割るとひとりあたり20万円で、海外の大会だと交通費で消えてしまう金額です。2位や3位だと赤字になる。またストーンが1個10万円するなど、道具も高価です」(同・ライター)

今回の人気急上昇でCMオファーがあるというから、資金難の解消に期待したい。

 

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