中国の「犯罪マフィア」輸出に怯える周辺国

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中国共産党の習近平指導部が始めたマフィアなど犯罪集団の取り締まり作戦『掃黒除悪(悪を取り除く)』の号令下、各地方政府は一斉に摘発に乗り出している。

中国メディアのまとめによると、春節(旧正月)前までの3週間余りのあいだに、河南をはじめ江蘇、浙江、江西、陝西、福建、雲南の各省はそれぞれ1000人以上、全国で1万人以上が拘束されたという。

また習指導部は“保護傘”(後ろ盾)となっている高官らも徹底的に処罰するとしており、共産党指導部の『反腐敗撲滅運動』に代わる習政権2期目の推進力にする狙いも透けて見える。

中国国内メディアは「多くの人民がそのスピードに拍手を送り、積極的に手掛かりを通報している」と報じており、警察当局の活躍に拍手を送るが、事情通は「前から捜査していた事件や単純な詐欺まで含めており、かなり水増しがある」と内実を明かしている。

「山東省では検察幹部が“ノルマ”があることを示唆したという書き込みがありました。即座にインターネット上から削除されましたが、各地方政府が一斉に成果を競いあっているので、公正さが担保できるのかは疑問が残ります。政治化する取り締まりの弊害を不安視する声も出ています」(中国在日本人ジャーナリスト)

 

パキスタンの工事現場に中国の囚人が?

一方、パキスタンでは中国がマフィアを“輸出”しているのではないかとの疑義も出た。同国紙『ザ・タイムズ・オブ・インディア』(2018年3月2日付)がこう報じたのだ。

《パキスタン野党PPP(パキスタン人民党)のタルプル議員が3月1日、パキスタン国会の委員会で、『中国からおびただしい数の囚人がCPEC(中国パキスタン経済回廊)の道路工事に投入されているのは問題ではないか』と質問した。国際間の取り決めでは、囚人を工事現場に投入するケースについてはホスト国の受諾が必要であり、ひょっとしてパキスタン政府は非公開の取り決め、もしくは密約を交わして、このような囚人を受け入れているのではないか》

中国海軍が寄港するグアダル港が位置するパロチスタン洲では、頻繁に中国人へのテロや誘拐も起こり、中国人労働者は隔離されている。中国の囚人らが犯罪に加担したかどうかは不明だが、最近パキスタンではATM詐欺が横行し、カラチでも反中国感情が猛烈に吹きすさんでいるという。ネット上では《パキスタンはいずれ中国当局の摘発から逃れた中国人マフィアの巣窟になるだろう》という書き込みがあった。

いずれ日本にも? いやもう大挙して来ているのでは…。

 

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