大坂なおみ快挙も「盛り上がりに欠ける」狭量な理由

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女子テニス世界ランク44位の大坂なおみが『BNPパリバ・オープン』でツアー初優勝を飾った。これは日本の女子選手で初めて4大大会に次ぐ大会を制する快挙だ。

大坂は決勝戦で同ランキング19位のダリア・カサキナ(ロシア)をゲームカウント6-3、6-2と、圧倒的な強さで破った。彼女はハイチ出身の父と日本人の母を持つハーフ。慣れていないせいか、優勝スピーチでは埋め尽くされた観客に「ハロー!」と呼び掛ける異例のあいさつでスタートし、何度もお礼を言う相手を考えながら、「こんなスピーチ、過去最悪よね」とはにかんだが、観客からは拍手喝采を浴びた。

「180センチメートルの身長から繰り出す時速190キロ以上のサーブが武器で、まずサーブで相手を崩し、パワーのあるストロークで押すタイプです。1回戦で元世界1位のマリア・シャラポワ(ロシア)を破ると、準決勝では現世界1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)に勝って決勝へ進みました。大会の格も、対戦相手もそうそうたる顔ぶれ。大金星です」(テニス誌ライター)

大変な快挙に違いないが、優勝翌日の情報番組ではスポーツコーナーで部分的に触れられただけだった。

 

問題は日本語?

「大坂は東京五輪で活躍が見込まれているので、多くのメディアに露出したこともあり、視聴者もある程度認識しているでしょう。でも、例えば陸上のケンブリッジ飛鳥やプロ野球のオコエ瑠偉などと比べると、いまいち人気がありません。今回の優勝でまた知名度が高まるのは間違いありませんが…」(スポーツ紙記者)

なぜ、大坂は話題になりづらいのだろうか。

「やはり日本人のハーフとはいえ、ほとんど日本語が話せないということが影響しているでしょう。優勝のインタビューのとき、国内の大会だと日本語に挑戦していますが、要所を話すときは英語です。親近感が湧かないのかもしれません」(同・記者)

大坂と似たような状況がほかの著名人でも起きているという。

「昨年、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロも、話題の風化が早かった。彼は幼少時に日本で過ごしただけなので、日本語が全くしゃべれないためです」(文芸雑誌編集者)

大坂には日本人の度量の狭さを理解してもらうしかなさそうだ。

 

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