エポック社「野球盤」ロングセラーの秘密

エポック社の『野球盤』が今年で60周年を迎えた。これだけ長いあいだ売れ続けているアナログ玩具も珍しいだろう。デジタルゲーム全盛の時代に育った人も、野球盤だけはやったことがある、という人も多いのではないだろうか。

「野球盤第1号機は1958年(昭和33年)に、エポック社の創業と同時に発売されました。第1号機は現在発売されているプラスチック製のものとは随分と趣が異なります。木枠やポケットは建具職人、選手たちはこけし職人の手によって一体一体製作されたものです。値段は1750円。当時の大卒会社員の平均初任給が1万2000円ですから、かなり高級な玩具でした。それでも飛ぶように売れたそうです」(トイジャーナリスト)

『初代野球盤』(復刻版)

しかし、なぜ60年間も第一線で売れ続けることができたのだろうか。

 

時代を反映したマイナーチェンジ

「カーブやシュートが投げられるようになったり、大ヒットアニメ『巨人の星』に登場する“消える魔球”を採用したり、後楽園球場が人工芝を採用したときは野球盤の盤面も人工芝風に、東京ドームが出来た時は球場を透明のカバーで球場を囲むなど、その時代時代の流行を取り入れ、野球盤は絶えず変化してきました。そのフットワークのよさがロングセラーの秘訣でしょう」(同・ジャーナリスト)

『オールスター野球盤 BM型 魔球装置付き』(1972年)

そんな野球盤も2015年に“3D化”という大変化を遂げた。これまでの野球盤は球が盤の上を転がるだけだったが、投げた球が本当に放物線を描いて飛ぶ『3Dピッチング機能』を野球盤史上初めて搭載。その球を打ち、放物線を描いてスタンドに入れることもできるというから、旧来の野球盤で遊んだ世代としては驚かざるを得ない。

現在、東京都の神保町にある『奥野かるた店』で『野球盤ゲーム展』を5月6日まで開催中だ。最新の3D野球盤を体験できるコーナーもあるので、時間がある人は寄ってみてはいかがだろうか。

 

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