中国人留学生「日本の大学進学」を目指す理由

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独立行政法人日本学生支援機構によると、2015年の中国人留学生数は約9万4000名と全外国人留学生中トップで、全体の約45%に上り、第2位のベトナム人(約3万9000名)を大きく引き離している。留学生のふたりにひとりが中国人という計算だ。

中国人の留学先における第1候補はやはりアメリカだ。アメリカ国際教育研究所の調査によると、2014~2015年度にアメリカ留学をした中国人は約30万4000名と、アメリカの留学生全体の約3分の1(2位はインド人、3位は韓国人)で、日本への留学生の約3倍だという。

翻ってアジア勢の大学ランキングを見ると、24位にシンガポール国立大、29位に北京大が入っており、東京大学は39位。ランキングを見る限り、日本の東大は世界的に見て上位にはない。それなのになぜ「日本に留学したい」という声が高まっているのか。

「北京大のランキングが東大よりも上位だという結果を、中国人は誰も信じていません。そもそもイギリスの会社が発表したランキングですから、評価基準は曖昧で、欧米有利なのは当たり前です。少なくとも教授の質という点で東大はアジアでナンバーワンだと思います。アメリカの大学に留学した友人も『アメリカより日本の大学に進学している人の方が幸せで健康そうに見える』とうらやましがられます。なぜなら、アメリカでの中国人同士の足の引っ張り合いはものすごいためです。そうしないと中国人が多過ぎるアメリカでは生き残れないのです」(日本の大学を卒業した中国人留学生)

 

中国国内の大学受験事情

アメリカでの中国人留学生は飽和状態に達している。そして、中国国内の事情も日本の大学への進学を後押ししているという。

「中国の大学入試は1年に一度。毎年6月に2日間、全国一斉の統一試験によって行われます。日本のように試験日の異なる私立大学があるわけではなく、浪人も一般的ではありません。統一試験でよい成績を収めなければ、希望の大学に進学することはできません。それに中国の戸籍は都市戸籍と農村戸籍に分かれており、農村から都市への移動は制限されています。それに伴い、省ごとに各大学の入学者数が決められており、農村出身よりも都市出身者の方がよい大学に進学しやすい傾向があるのです。こうした不公平が存在しているので、中国で一流大学への進学は難しいと判断し、かつ両親に経済力がある場合、いっそのこと中国の大学はやめて日本の一流大学を目指そうという動きが高まっているのです」(同・留学生)

日本の一流大学が中国人だらけになる日も近いかもしれない。

 

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