キテます!キテます!昭和の怪電波ビンビン宇宙人玩具

駄菓子屋が活気にあふれていた昭和40年代(1965~1974年)、そこで売られていた安価なおもちゃの多くは、家族経営中心の中小企業が自転車操業で作っていました。プロの絵描きなどは使わずに、すべて自前でやっていたメーカーも多かったのではないでしょうか。その中には怪しげな“テレパシー”を発信していたものがありました。

私が「コレは相当キテるな~」と思うのが、このnisseiというメーカーの『みんなのマスコット宇宙人』。パズルのように簡単に組立て・分解ができる、20~30円で売られていたチープトイです。まず、この台紙をご覧ください。

宇宙人ピカチャン、火星人ター坊、遊星人カボチャンという3人の宇宙人が登場する、まるで子どもが描きなぐったような台紙絵です。計算なのか、特殊な感性なのか、全く分かりません。火星人ター坊のように「ピッピ~」と怪しい発信音を出しまくりじゃないですか。というか、火星人を気安くター坊呼ばわりしていいんですか? そして、その本体がこちらです。

台紙のイラスト通りのファニーな面々。解せないのは、ピカチャンとカボチャンが見分けがつかないほど似ているところ。ちょっとマニアックな話になりますが、これはイッコーという会社が1967年に発売した50円の宇宙人プラモ『バルデン星人』『ギラン星人』『マグラン星人』の体型だけを安易にパクってしまったからではないでしょうか。

2大機能を解説します。まず、1つ目はアンテナや腕を動かすと目玉が出たり入ったりします。ユルいですね~。

そして、台紙に「振ると発信音(テレパシー)するよ!」と書かれている機能。何のことはない、体内に小さな鉄球が入っていて、振ると“カラカラ…”と音がする、というものです。

中に電子音を発する回路を入れろとまでは言いませんが、まさかこれがテレパシーの正体だとは…。いや、アッパレ! 手間を惜しまず、わざわざ鉄球を入れるなんて、それはそれは涙ぐましい努力ではありませんか。

ピースフルな脱力感とでも言ったらいいのでしょうか…。とにかく、この宇宙人たちはジワジワきます。

実を言うと、私が『まいじつ』で毎回、昭和の奇天烈な駄玩具を紹介しているのは、ヤツらの発するテレパシーをキャッチし、脳を支配されてしまっているからなのでは? と思う今日このごろです。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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