シンプルながら熱中した昭和の「相撲玩具」

子供のころによくやった遊びの定番に『とんとん相撲(紙相撲)』がありました。

二つ折にした紙に力士などの絵を描いて切り抜き、それを45度ほど開いて自立する人形を2体作ります。それをがっぷり四つに組み合わせて、表面に土俵を描いた空のお菓子箱などの上に置きます。箱の両端をトントンとたたき、その振動で人形を動かして相撲に見立てる、という遊びでした。

私がとんとん相撲をして遊んだ時期は1970年代初頭で、ちょうど“第2次怪獣ブーム”と重なります。私は駄菓子屋で10円で売られていた怪獣の紙人形を買ってきては、取り組みをさせて遊んだものでした。こんなヤツです。

この紙製怪獣は二つ折式ではなく、カタカナで怪獣の名前が記された色帯の部分を丸めて輪っかを作り、自立させるものです。怪獣の名前が一部違っていますが、この時代の駄玩具ではさほど珍しいことではありませんでした。

シンプルな紙相撲もいいのですが、ちょっと手の込んだモノもありました。セルロイド製の2匹の怪獣が、東京の街並みが描かれた箱の上で相撲を取る、なかなかレトロな味わいのある玩具です。

2匹の怪獣の腕は一体化しており、土俵の真ん中に開いた穴から突き出た針金とつながっています。腕と足の付け根は針金でとめてあって自由に動きます。

下箱の中には空気ポンプからチューブを通して送られる圧力によって動く紙製のふいごが仕掛けてあり、その上下動が怪獣を支える針金を微妙に揺すります。

組み合った2匹の怪獣はガチャガチャという音とともに小刻みに揺れ、バランスが崩れた刹那、どちらか一方の怪獣は尻もちをつく、というものでした。

ひとり遊び用のおもちゃで、対戦する醍醐味に欠けますが、怪獣の意外な動きに面白さがあり、思わず熱中してしまいます。ちなみに、お相撲さんが取り組むバージョンもありました。本来はそっちが先にあって、1966年の第1次怪獣ブーム時に、怪獣の姿に改造されたのだと思われます。

このところ続いた不祥事で評判を落としている相撲界ですが、相撲は平和や豊穣を願う神事の側面もあります。先ごろ起きた土俵の女人禁制問題で露呈した相撲協会と世間の認識のすれ違いを一刻も早く解消し、本来の勝負の面白さで盛り返してもらいたいものです。そして、日本も相撲界もトントン拍子で発展することを願っています。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

 

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