コスプレも堪能!「美人スケーター襲撃事件」真相を描いた映画

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

配給/博報堂DYミュージック&ピクチャーズ 5月4日より新宿バルト9ほかで上映
監督/グレイグ・ギレスピー
出演/マーゴット・ロビー、アリソン・ジャネイほか

最近、日本でも女子レスリング界のパワハラ問題が表面化したばかり。爽やかなはずのアスリートたちの世界も1枚皮をめくればスキャンダルまみれ、というのはよくあること。

1990年代、美人フィギュアスケーターのトーニャ・ハーディングが関与したとされたライバル選手への暴行。いわゆる『ナンシー・ケリガン襲撃事件』と呼ばれるもので、美人アスリートに興味津々のボクは当時のことを鮮明に覚えているが、その裏面はよく分からなかった。そこを浮き彫りにさせたのがこの映画だ。ただし、作りはあえて安っぽい三面記事風、再現フィルム調で、虚実皮膜なことを強調している。要するに“アホな連中しか出てこないバカ騒ぎ”という視点で捉えているのが、この映画の“知性”と言えるだろう。

 

ラストシーンでは落ちぶれて「これが今の私…」

注目は何といってもトーニャ・ハーディング役のマーゴット・ロビー。2016年の『ターザン REBORN』『スーサイド・スクワッド』などでブレイクし、今やハリウッド一の出世株、ともいわれる超美人女優だ。もちろん、ド・パツキンでボクのストライクど真ん中! ゴージャスな彼女が、いかにもチープなパツキン娘、トーニャになりきる。低所得階級のガサツで金の亡者みたいな母親が、スケートの才能だけは抜群のトーニャを罵倒や暴力を奮いながら育て上げる。この鬼母を演じたアリソン・ジェネイがド迫力で、オスカー助演女優賞に輝いたのも納得できるほど凄まじい。

作品全体も笑いを誘発するほど楽しめるが、やっぱりビジュアル的にはトーニャ=マーゴットのコスプレ・エロスは見逃せない。競技のたびに着替えるきらびやかな赤、青、白のコスチュームは、ニョッキリの充実の太股ともにまぶしい限りで、目のやり場に…全然困らなくて、ガン見しちゃったほど。「イョッ、太股千両、股万両!」って大向こうから声を飛ばしたいほど。

最初の夫から受けるDVも痛ましいが、ラスト近く、落ちぶれて女子ボクサーに転向し、相手の一撃で宙を舞い、リングに崩れ落ち、「これが今の私…」と観客に向かってつぶやく血染めの顔。傷だらけ、血みどろ、醜聞まみれになりながら逞しく生きる彼女に何だかシンパシーを感じてくるのがこの映画の魅力か。彼女にも多少は問題はあるが、環境の悪さと、取り巻き連中の愚かさが、この事件を引き起こしたのでは、と弁護したくなるのは、マーゴット・ロビーのコスプレ・エロスに目がくらんだせいかもしれない。

 

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