脱走受刑者の潜伏で浮き彫り「所有者不明」の土地問題

ABC / PIXTA(ピクスタ)

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愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から脱走した受刑者の平尾龍磨容疑者が、広島市内のJR広島駅付近で逮捕された。

この事件でクローズアップされたのが、潜伏していた広島県尾道市内の向島にある空き家だ。島内だけで約1000軒もあり、所有者の許可なく立ち入れないため警察の確認作業が難航し、逮捕までに時間を要した大きな要因となった。

「捜索には所有者や管理者の許可が必要で、連絡が取れない場合は外観に目立った異常がないか、窓から内を目視だけで済まさざるを得ないのが実情です」(捜査関係者)

 

地方では4分の1が所有者不明の土地

こうした所有者が不明のまま放置されている、つまり相続登記されていない土地について、法務省は昨年6月に初の実態調査を実施し、その結果を公表した。調査対象となった全国10市区町のうち、50年以上にわたって登記の変更がなく、所有者が不明の可能性が大きい土地は、地方は26.6%に達し、都市部の6.6%を大きく上回った。

「調査は昨年1月から5月に神戸市など都市部の3市区と、高知県大豊町など地方の7市町を対象に実施されました。11万8346人が所有する土地を抽出し、最後の登記からの経過年数を調べ、その結果同省は、経過年数が長ければ長いほど、その土地は所有者が不明のまま放置されている可能性が高いとの見解を発表したのです」(法務省担当記者)

結果は『不動産登記簿における相続登記未了土地調査について・法務省民事局』(平成29年6月6日)として公表されている。

阪神淡路大震災、東日本大震災の復興工事の過程で、所有者不明の空き家が妨げになっているとして問題になった。次の大自然災害が起きる前にしっかりとした対策を講じる必要があるだろう。

 

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【参考】

※ 不動産登記簿における相続登記未了土地調査について‐ 法務省民事局
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00291.html

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