「侮辱するな!」と抗議を受けたドラマ『ブラックペアン』

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新たな薬物治療や新薬開発の研究・促進を目指して活動している一般社団法人『日本臨床薬理学会』が、TBS系列で放送中の連続ドラマ『ブラックペアン』の描写に対し、事実と大きく異なるとして、抗議文をフェイスブックで公開した。

その内容は、加藤綾子が演じている治験コーディネーター(CRC)の振る舞いが、実際の職務内容と全く違っているなどと指摘するものだ。製薬企業と契約するCRCは存在しないとしているほか、ドラマの第1話と第2話で治験コーディネーターがスーツ姿で担当医師を高級飲食店で接待したり、治験を決めた被験者に同意書を取らずにその場で負担軽減費として300万円を手渡しするシーンが登場している部分について、《患者さんのために、医療の発展のために真摯に努力しているCRCの心を折り、侮辱するものであったと感じます。》などと非難した。さらに、《CRCは医療機関のスタッフとして患者様をサポートしており、スーツを着てかっこよくこなせる業務ではありません。担当医師を高級レストランで接待するCRCも100%おりません。》とドラマの演出を否定している。

これだけにとどまらず、“負担軽減費”については特に重点的に説明がなされている。

《治験にかかわるものたちが驚愕したのが、患者さんへの負担軽減費300万円というものです。負担軽減費は治験に参加することによって生じる種々の損失をなんとか補おうという趣旨で始まった制度です。いくらという決まりはありませんが、あくまで負担軽減費です。ほとんどのところで、一回の来院あたり、7000円〜8000円としています。患者様と付き添いの方が来院する交通費と軽い昼食代に相当する額を調査し、この額なら治験参加の誘因にならないだろうと定められた背景があります。高額の軽減費で治験への参加を誘導することは厳に戒められておりますし、負担軽減費の具体的な額は治験審査委員会でその額の妥当性についてあらかじめ審査されています。300万円という額はなんらかの別の費用を誤解されたものと思われます。》

これらの描写について《これらのことは、ドラマの演出上という言葉で片付けられないと私たちは考えます。》として、抗議文を送付し、公開することを決めたのだという。

 

TBSに厳しい意見が殺到

インターネット上では今回の抗議について、TBSに対して厳しい意見が殺到している。

《患者さんからこのドラマのことを指摘されました。治験コーディネーターが随分酷い表現になってると。しかしこのような形で、学会が、私たちを守って下さること、心から感謝申し上げます。》
《治験コーディネーターという職種があまり知られてないのに、頑張ってる治験コーディネーターを誤解されてしまうのはイケないでしょ?》

このドラマは好調な視聴率を記録している。だが、TBSには日本臨床薬理学会が望む《CRCの使命、現状等を正しくご認識頂き、あまりにも現実と乖離した描写を避けて頂くよう希望する次第であります。》を無視せずに今後の展開を考えてほしいものだ。

 

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