全裸の寺島しのぶ&ドS妻の前田敦子の「艶笑時代劇」映画

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『蚤とり侍』

配給/東宝 TOHOシネマズ新宿ほかで5月18日より公開
監督/鶴橋康夫
出演/阿部寛、寺島しのぶ、豊川悦司、前田敦子、大竹しのぶほか

面妖なタイトルだが、江戸時代に実在した(かどうかは分からぬが)猫の蚤(のみ)とり業と称して女性宅に上がり、愛をご奉仕する添寝業。要するに男娼みたいなもの。ユニークな設定の艶笑時代劇なのだ。

鶴橋監督はテレビ界のベテラン巨匠で、映画でも『愛の流刑地』(2007年)、『後妻業の女』(2016年)など男と女、愛と性を題材に、大胆な描写も辞さずの演出で定評のある御仁でボクは結構ファンである。今年で78歳を迎えたが、まだまだ枯れていないエネルギッシュで、世俗ネタがお好きなのが頼もしい限り。

質実剛健な侍、小林寛之進(阿部寛)は藩主の逆鱗に触れ、蚤とり業に放逐されてしまう。何も分からぬまま始めた“蚤とり業”での最初の客のおみね(寺島しのぶ)は貞淑な元妻・千鶴とうりふたつだったが、こちらはエロエロ女。女性を喜ばせるテクがゼロの寛之進は「ヘタクソ」呼ばわりされ、一念発起するが…。江戸庶民のたくましさ、あけっぴろげな性の謳歌などが描かれる。

 

粋で、いなせで、ちょっとエッチな世界

エロス描写のトップはやっぱり寺島しのぶ。『愛の流刑地』でも盛大に脱いでいたが、今回久々にヌード全開。性のテクニックを体得した阿部とのカラミでは、くんずほぐれつ、喘ぐのけぞる。俯瞰ショットでは、おっぱいをドーンとフル・オープン、45歳の熟々裸体が拝めるので、四十路女にソソられる、という方はドウゾ。いやいや、何度も脱いでいる寺島では鮮度に欠けるしね、もう少し若いエロスが欲しい、というぜいたくなことを言う方には、最近、俳優の勝地涼との熱愛が報じられた26歳、前田敦子はいかがか。

こちらの敦子ちゃんはさすがに完脱ぎはないが、阿部が性のテクを教わる小間物問屋の入り婿で遊び人の清兵衛(豊川悦司)の“ドS妻”おちえを演じている。どれくらいドSかというと、旦那との営みで噛む、つねる、主導権取りっぱなし。おまけに旦那の浮気封じにと、アソコにうどん粉を大量にまぶして、使ったら分かる仕組みにしてしまう。おかげで旦那は歩いているだけでうどん粉が少し剥がれてポロポロ落とすという情けなさ。こういう気性が激しい役柄は珍しいが、喜劇調なので愛嬌があるからまだ救われる。敦子ちゃんも勝地相手にドSなのだろうか、という妄想が膨らむだけに、今回の熱愛報道はこの映画の宣伝かも、と勘繰ってしまうね。

落語にも通じそうな江戸庶民の風俗や娯楽を題材にした、粋で、いなせで、ちょっとエッチな世界。もっとエロくても歓迎、と思うけど、これくらいのさじ加減が丁度いいのだろう。

 

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