金正恩委員長「体型キープ」の裏に存在する大量の餓死者たち

画/彩賀ゆう (C)まいじつ

国連世界食糧計画(WFP)は2017年の報告書で、北朝鮮の飢餓人口を全体の4割に当たる約1000万人と推計している。2.5人に1人が飢餓状態にあるという。WFPを通じた2017年の食糧支援の総額は約1431万ドル(約16億円)で、2015年からほぼ半減しているため支援が必要なのは明らかだ。しかし、これは制裁の影響というより、国力に見合わない軍事支出や、そもそも旧ソ連で崩壊した協同農場方式なので生産性が一向に上がらないのが最大の原因だ。

「今年2月初めから3月末にかけて、北朝鮮の南部・黄海北道(ファンヘプクト)と咸鏡南道(ハムギョンナムド)、江原道(カンウォンド)の協同農場の農民が餓死していたことが明らかになりました。なぜ餓死が起きたのかというと、金正恩委員長が“収奪”をしたからです。北朝鮮は昨年秋から新しい農業政策を実施しています。実際に農業を行う農民に対しては、国が1年分の食糧としてトウモロコシをひとり当たり360キログラムずつ、扶養する学生や65歳以上の老人には同じく109キロずつ配給することにしたのです。しかし、こうした1年分の食糧から各種“使用料”として10%が国に取り上げられ、さらに昨年は、協同農場に登録されている家族ひとり当たり、豚肉7キロを義務的に朝鮮人民軍に供出させ、できない場合には1年分の食糧から70キロを減らす暴挙に出ていたのです」(北朝鮮ウオッチャー)

“泣く子と地頭には勝てぬ”ということわざ通り、金正恩政権による強引な食糧徴収が餓死者発生の原因だったのだ。

 

米の価格も高騰

「北朝鮮では2012年にも、穀倉地帯の黄海南道で、数万人単位の餓死者が発生しています。当局が正恩委員長の政権就任を祝う“どんちゃん騒ぎ用”の食糧を調達したことで、農民が極度の食糧不足に陥ったためでした。このときは飢えた人々が、家族の遺骸に手を掛ける“人肉事件”さえ伝えられています」(同・ウオッチャー)

食料の値段が上がって一般庶民の生活はますます厳しくなる一方だ。米の値段は去年1キログラム4300ウォンから、いまは同5500ウォンに暴騰した。庶民にとってこの1200ウォンという差はとてつもなく大きい。

「正恩委員長のあの太り方を見れば分かりますが、経済制裁を強めても幹部たちは前と同じように贅沢に暮らすでしょう。お百姓さんだけが死んでいくのです」(同・ウオッチャー)

アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は金正恩体制の存続を保証した。ということは、餓死はこれからも起こるということだ。

 

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