揺らぐ米朝関係「恐るべき野望」抱く露プーチン大統領

(C)Alena Jiang / Shutterstock

史上初の米朝首脳会談が6月12日にシンガポールで行われることが決まった。

しかし、北朝鮮は5月16日になって「米国が一方的な核兵器の放棄を要求し続けるなら会談を中止する意向だ」と明らかにした。こうした動きは、朝鮮半島問題から置き去りにされたロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとって“朗報”となるかもしれない。

世界のメディアは4月27日に開催された南北首脳会談の模様を大々的に報じたが、ロシアも例外ではない。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は会談直後に「われわれは南北の首脳が会った事実と、会談の成果として発表された共同宣言を非常に高く評価する」と表明。“非核化”が盛り込まれた板門店宣言の発表を受けてのロシア外務省のコメントも「南北首脳会談の成功を歓迎し、板門店宣言に盛り込まれた合意内容を評価する」とした。

この一連のロシアのコメントなかで注目すべきは「鉄道、電力、ガスやその他の分野での韓国、北朝鮮、ロシアの3カ国の協力発展を通じて、南北間の具体的な相互協力実現に寄与する用意がある」と表明したことだろう。要するに北朝鮮への強い“ラブコール”だ。

 

ロシアが抱える問題を一気に解決する恐ろしい方法

「金正恩党委員長のロシア訪問が水面下で検討されているといわれたが、まだ実現していません。現時点で公になっているのは、北朝鮮がロシア外相の平壌訪問の招請を受け入れたということぐらいです。正恩委員長が2回も訪中したことをプーチンは面白く思っておらず、ロシアは朝鮮半島問題での“置き去り”への懸念が日本以上に強いのです」(欧州在ジャーナリスト)

ロシアの主要経済紙『コメルサント』は南北首脳会談に関する記事中、板門店宣言で半島の平和定着に向けて南北が国防当局者の定期協議や米中も参加する多国間協議の推進を計画していると触れた部分のなかで、《「ロシア抜きで」と注記したことに驚いた》と記事にした。

「実は中朝会談で報道されなかったのですが、北朝鮮は北京政府へのテロも辞さないとする新彊ウイグル自治区に武器を売却しており、『日米は100年の敵だが、中国は1000年の敵』とする正恩政権の中国敵視政策を止めない限り、一切の協力はしないと迫っています。一方で、中国の習近平国家主席がロシアを訪問するなど、中ロは蜜月の時代を迎えたといわれていますが、ロシアはシベリア・極東問題における中国の存在を危惧しています。というのも、中国と国境を接するロシア極東地域の人口は600万人にすぎませんが、中国東北部には1億人以上の中国人が居住しており、極東地域の安全保障を脅かしているからです」(国際ジャーナリスト)

プーチン大統領の本音は「(極東で)戦争してほしい。同地が無法地帯になれば、ロシアがコントロールできるチャンスがある」と考えているようだ。そうすれば、現在借地している北朝鮮の羅津港だけでなく、極東のクリミアとして韓国の釜山港を使えるという恐ろしい野望まで抱いているという。

 

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