公立病院は建設費が巨額になりつづけることで医師不足を招いていた

過去に自治体病院共済会が、病院に掛かった建設費を調査したことがある。出てきた数字は、民間平均1600万円/床、公立同3300万円/床と、公立病院の建設費は民間病院に比べて何と2倍になることが判明したのだ。この事態を重く見た自治体病院を指導監督する総務省は、2015年3月に新公立病院改革ガイドラインを公表した。病院施設・設備整備費は抑制すべきで、建築単価の上限単価は36万円/平方メートルが望ましいと自治体にタガをはめた。

ところが、最近建て替えをした北茨城市民病院の建設コストは、総務省の定める上限をはるかに超える51万円/平方メートルで、1床あたりも3820万円と、先の調査の民間病院平均の1600万円/床どころか、公立病院平均3300万円/床さえ超えていた。

同じように、松戸市立病院は4467万円/床で57万円/平方メートルになっており、いわき市立総合磐城共立病院は5743万円/床で62万円/平方メートルと、いずれの建設工事も異常なコスト増になった。さらに、多額の費用を投じて建設した病院にも関わらず、肝心の医師が集まらないという皮肉な事態になっている。その理由は何か。

「まず、建設費が高額になる最大の理由は、国や県から補助金が出るからです。大まかに言えば、病院の借入金の一定割合が、国から自治体に税金投入されるので、借入金が多ければ多いほど国からの補助金が増えるのです。だから、首長は選挙のことを考え、建て替えたり新築する際に価格など考えず最新の医療機器を導入してコストを押し上げてしまう」(医療ジャーナリスト)