プロ登山家が批判「ネット登山家」エベレストで死亡

エベレスト

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5月21日、登山家の栗城史多さんがエベレストのキャンプ2で死亡していることが確認されたと、海外メディア『The Himalayan Times』が報じた。

栗城さんは過去に7度、エベレストへの登頂を試みていたが、いずれも失敗。過去の挑戦時に凍傷にかかり、右手親指以外の両手9本の指の第二関節から先を失うという事故にも遭っている。今回の8回目のエベレスト登頂挑戦は、インターネットテレビの『AbemaTV』が21日から生中継する予定だったが、本人が死亡したため放送は中止された。

インターネット上では栗城さんの死亡のニュースに悲しみの声が広がったが、一方で、「いつかはこんなことが起こるのではないかと思っていた」と、いう辛辣な意見も聞こえてくる。

「栗城さんのエベレスト登頂は、プロの登山家から“ショー”的な要素が強い“別ジャンル”のものとして見られていました。『無酸素単独』をうたっていたにもかかわらず、実際は酸素ボンベと大勢のスタッフを引き連れて登っていたという事実も発覚しています。登山の様子をネット中継するなどエンターテインメント要素を取り入れ、多くのスポンサーからの支持を得ていましたが、高額な費用を何とか捻出しながら真剣に登山に取り組んでいる人からは不評を買っていました。過去にエベレスト登頂を6回果たしている国際山岳ガイドの近藤謙司氏は、栗城さんに対してツイッターで《勉強もしないのにお金もらって東大を受け続けるようなもんだ…》と苦言を呈したこともあります」(山岳雑誌ライター)

 

15名しか成功していない挑戦の途中

栗城さんはエベレストの南西壁単独無酸素登頂を目指していたが、過去に成功したことがあるのはたったの15名。そのうち日本人は6名のみで、成功すれば世界的な偉業となるが、栗城さんの登頂歴からも、それがかなり難しいことは以前から指摘されていた。

登山家の大蔵喜福氏はニュースサイト『AbemaTIMES』のインタビューに対して「他人に何を言われようと、その部分がブレない。そこに彼の人間性と価値がある。だから僕は、何度失敗してもいいと思っていますよ」と、栗城さんへの一定の理解を示していたが、もはや次回チャレンジする機会は永遠に失われてしまった。

栗城さんの所属する事務所はオフィシャルブログで、遺体の発見された様子を報告している。

 

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